2009年05月06日

パリ-北京ラリーの華/高斎 正 ★★★

自動車をテーマとした小説を数多く執筆している高斎正氏の作品。
本作は『ホンダがレースに復帰する時』から始まるシリーズの延長
にあると言って良いだろう。しかし、この作品で登場するのは超伝
導蓄電池を積んだ電気自動車である。現実のテクノロジーを使った
一連のシリーズよりはSF色が強い内容となっている。

この作品が書かれたのは1989年である。残念ながら未だに超伝
導蓄電池を積んだ電気自動車と言うのは実用化されていない。
鉛蓄電池を使った電気自動車も普及しているとは言えず、ハイブ
リットカーがやっと普及し始めた所である。この作品に出てきた中で
現在までに実用化されたのはGPSナビゲーターくらいの物である。

本作はダイハツが電気自動車でパリ〜北京間の一万八千キロを
走るラリー(正確にはレイド、冒険旅行の意味)に挑戦するという
ものである。ベースとなる車はアプローズ。そんな車あったのかと
言う程マイナーな車種である。せめてラガー(これもマイナーだが
クロスカントリータイプでトヨタにブリザードの名でOEM供給された)
にした方が良かったのでは無いか。

失礼ながら、親会社のトヨタならともかく、ダイハツの企業規模では
全行程に太陽電池を使った充電設備を建設するというのは無理が
有るのではないだろうか。ガソリンや軽油を使った車より、とんでも
ない費用がかかりそうである。ちなみに、レースの結末は読んでの
お楽しみである。

「メカは書けても人間は書かれていない」。高斎氏の作品に対して
よく言われる言葉である。確かに開発に懸ける技術者の意気込み
や苦悩みたいなものは書かれているのだが、出てくる人間はみん
な優等生で、それこそ機会みたいな人達ばかりである。登場人物
が聖人君子ばかりでは小説としての厚みといったものが感じられ
ない。しかし、『ホンダがレースに復帰する時』から始まるシリーズ
が何作も刊行されているように、高斎氏の作品には何故か心惹か
れるものがあるのも事実である。

パリ-北京ラリーの華 (徳間文庫)
パリ-北京ラリーの華 (徳間文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
いつの日か、常温超伝導は可能になる。自動車の歴史にまったく新しい一ページが書き加えられる可能性が見えて来た。騒音と排気を出さず、地球の環境を破壊しない電気自動車の可能性が…。超伝導現象に注目したダイハツは、独自のプロジェクトチームを組織し、超伝導蓄電池を積んだ電気自動車の開発にあたっていた。折しも開催された全行程一万八千キロ、スペシャルステージ二千キロのパリ―北京ラリー。人類と地球を愛する人々の夢は、技術の壁を突き破れるのか…。長篇カーノベル。

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2009年05月05日

トルーマン・レター/高嶋 哲夫 ★★★

元新聞記者の主人公が、第33代アメリカ合衆国大統領
ハリー・トルーマンの書いたと思われる手紙を偶然手に
入れる所から物語は始まる。手紙の内容は第二次世界
大戦でアメリカが日本に対し原爆投下を決意する真相に
迫る物である。

公式には、原爆投下の目的は地上戦によるアメリカ軍の
損失を最小限に止める為、となっている。しかし、トルー
マンの手紙の内容は人種的偏見に満ちた物であった。
この手紙の真贋を確かめ、いかにして公開するか検討し
ていた主人公と、彼の昔の恋人である大学准教授が、
やがて事件に巻き込まれる。

アメリカ大統領について少し調べてみると、初期から二十
世紀初頭にかけては、人種差別主義者が少なからずいた
ようだ。さすがに最近ではアフリカ系アメリカ人の国務長官
や大統領が登場しているように、あからさまな人種差別を
唱える人物はいないようだが。

ちなみに史実では、日本への原爆投下決定はポツダム
宣言発表前の7月25日となっている。

やや重い文体で、読むのは少し骨がおれた。最初から怪し
い人物は一人しかいないのに、やたらと物語を複雑にして
いるような印象もあった。まあ、国際謀略小説としてはそれ
なりに楽しめる作品ではあるのだが。

歴代アメリカ合衆国大統領の一覧
ハリー・S・トルーマン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

トルーマン・レター (集英社文庫)
トルーマン・レター (集英社文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
合衆国大統領トルーマンの私信には、原爆投下の真相が!?偶然「手紙」を手に入れた元新聞記者・峰先は、かつての恋人とともに、諜報戦の渦中に…。サントリーミステリー大賞作家、渾身のサスペンス。

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2009年05月01日

ウルトラ・ダラー/手嶋 龍一 ★★★

「わが国に初めて誕生したインテリジェンス小説」、なのだそうだ。
作者は長年NHKに勤めた外交ジャーナリストの手嶋龍一氏。
インテリジェンスか何か知らないが、小説として面白いかどうかは
別物である。

視点が定まっていない箇所がある。時系列が判り難い。伏線が
未消化で登場人物がいつの間にか消えている等、小説としての
基本的な書き方が未熟なのである。新人賞の最終選考に残るか
どうかといったレベルではないだろうか。

作者は経験豊富な外交ジャーナリストだけあって、北朝鮮の偽札
作りを軸とした国家の外交戦略や官僚の駆け引き、諜報活動など
惹かれる部分はあるのだが、エピソードの羅列のようになった感も
あり、ラストも締りが無い。

本書には真実が散りばめられているのかも知れないが、例え
嘘っぱちでも、クリエーターとしてのプロである作家が書いた作品
の方が、小説としては面白いのではないか。もっとも、そういう
作品は本当に数少ないのではあるが。

ウルトラ・ダラー (新潮文庫)
ウルトラ・ダラー (新潮文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
1968年、東京、若き彫刻職人が失踪した。それが全ての始まりだった。2002年、ダブリン、新種の偽百ドル札が発見される。巧緻を極めた紙幣は「ウルトラ・ダラー」と呼ばれることになった。英国情報部員スティーブン・ブラッドレーは、大いなる謎を追い、世界を駆けめぐる。ハイテク企業の罠、熾烈な諜報戦、そして日本外交の暗闇…。わが国に初めて誕生した、インテリジェンス小説。

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2009年04月30日

こんばんは

今月レビューを書いた作品は8作でした。
先月から溜まっていた分は大分はけてきましたが、
まだ何冊か残っています。
来月も頑張ってレビューを書きたいと思います。
posted by まどか at 21:26| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月26日

人間の条件/森村 誠一 ★★★

明らかに某宗教団体の起こした事件をベースとした作品である。
それだけでは芸が無いと思ったのか、合同結婚式まで取り込ん
でいる。プロの作家として、現実の事件を元にして小説を書くと
いうのは如何な物だろうか。

しかし、本作に限らず、他の多くの作家もこの事件をベースにし
た作品を書いている。小説の世界でも荒唐無稽と思われるよう
な事が、現実に起こってしまったのだ。それだけ社会的にイン
パクトのあった事件と言えるのだろう。

本作の主役は『人間の証明』にも登場した棟居刑事である。
事件が大きくなってくると、殺人事件で捜査一課が捜査するより、
公安警察が捜査の主導権を握るのでは無いかと思った。
タイトルとなっている『人間の条件』に関する部分は、作品の終
盤になってから登場するのだが、いささか設定が強引と言うか、
都合良過ぎる気がした。

所々に目端の利いた描写があり、様々な事件がやがて一点に
収束して行く所など、エンターテイメント作品として、それなりに
楽しめる作品にはなっている。

人間の条件 (上) (幻冬舎文庫)
人間の条件 (上) (幻冬舎文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
片倉宏は結婚相談所のパーティで出会った仁科里美に求婚するが断られてしまう。失意の片倉の自宅周辺で起こったOL殺人事件の捜査に動き出した警視庁捜査一課・棟居刑事は事件解決の手掛かりすら掴めずにいた。そんな時、近所の川で魚が全滅したことに不審を覚え水質調査に乗り出した片倉が、恐るべき生物災害の存在と人為的な細菌散布の可能性を探り当てる。棟居は、片倉と新興宗教「人間の家」に関連した家出人捜査に携わっていた新宿署・牛尾刑事から情報を得てOL殺人事件の背後に潜む「人間の家」の危険な正体に気づく。

人間の条件 (下) (幻冬舎文庫)
人間の条件 (下) (幻冬舎文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
新興宗教「人間の家」を追い始めた棟居の元に届いた驚愕すべき情報―それはOL殺人事件の容疑者が「人間の家」に関係しているだけでなく、棟居の妻子を殺害した犯人である可能性が高い、というものだった。長年追い続けた妻子殺害事件の究明に闘志を燃やす棟居だが“信教の自由”という壁を突破できずにいた。手をこまねいている捜査陣を嘲笑うかのように起こる殺人細菌を利用したホームレス殺害事件。次第にその凶暴な牙を剥き出し始める巨大犯罪教団と全警察の威信を懸けた壮絶な闘いが遂に始まった…。

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2009年04月25日

乱歩賞作家赤の謎/長坂秀佳、真保裕一、川田弥一郎、新野剛志、高野和明 ★★★

江戸川乱歩章受賞者によるアンソロジー。面白い作品も、面白く
無い作品もあるのだが、どの作家もそれぞれ個性ある作風を感じ
させる。江戸川乱歩章を取っているプロの作家だけあって、当然
と言えば当然なのかも知れないが。
ちなみにタイトルは『乱歩賞作家赤の謎』となっているが、色が作
品のテーマとなっている訳では無い。

長坂秀佳『「密室」作ります』
ピリッと伏線の効いた中編。シリーズのトップを飾るに相応し
い出来栄え。ただ、飲み屋トークと言うか、仲間内の馴れ合い
みたいな所が気になった。

真保裕一『黒部の羆』
過去に傷を持ちグダグダ思い悩む男が大好きな新保先生。
凝った構成だが、今一つ小説としての面白さに繋がってい
ないような気がした。

川田弥一郎『ライフ・サポート』
あまり捻った作風は得意でない川田先生。一次元の世界の
如く、単調に、最後まで一直線に突き進みます。

新野剛志『家路』
DQNを書くのが好きらしい新野先生。犯人の動機や行動が
理解に苦しむ。

高野和明『二つの銃口』
密室となった学校に猟銃を持った通り魔が逃げ込み、清掃員
のバイトをしている主人公と対決する心理サスペンス。
本編では一番短い作品であり、完成度も高いとは言えないの
だが、独特の世界観を感じさせる。

乱歩賞作家赤の謎 (講談社文庫)
乱歩賞作家赤の謎 (講談社文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
長坂秀佳『「密室」作ります』―“喪服婦人”からメールで届いたキイワード。「密室」でそのキイワードどおりの事件が…。真保裕一『黒部の羆』―冬型の気圧配置が強まっていた。山の事故。25年前の馬鹿な男の姿が胸をよぎった。川田弥一郎『ライフ・サポート』―末期癌患者の最後の願いは「娘探し」。同行したプライベイト・ドクターは命を救えるのか?新野剛志『家路』―師走の街で通り魔に刺された男は、被害者でなく加害者だったのか。高野和明『二つの銃口』―迷い込んだ大量殺戮者と、巻き込まれた青年。極限の恐怖と、精神の深淵を描く緊迫スリラー。

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2009年04月23日

ポツダム三巨頭(トルーマン・チャーチル・スターリン)を消せ/桧山 良昭 ★★★★★

作品の舞台は第二次世界大戦末期、ドイツが連合国に敗北し、
日本も沖縄を占領され、敗戦寸前の時点である。
主人公である河村吾郎は陸軍中野学校出身で、『黒い豹』と
呼ばれた工作員である。敗戦後のドイツに一人残り残置諜報
員となる。残置諜報員とは、敵側に潜入し情報収集や破壊工
作、後方撹乱を遂行するのが任務である。

河村の目的は戦後処理を話し合うためポツダムに集結した連
合国の三首脳、トルーマン・チャーチル・スターリンを暗殺する事
である。たとえ彼らを暗殺出来たとしても、戦局に大した影響は
無いように思える。日本の敗戦は確定的と言っても良いだろう。

しかし河村はドイツのSS隊員と協力し、度重なる困難を克服しな
がら、任務の遂行に向け努力する。そして必要とあれば、たとえ
子供であっても容赦なくナイフで喉を掻き切る。その意思の強さ
は魅力的なキャラクターである。

そんな『黒い豹』こと河村を追うのがアメリカ軍のヘンダーソン
大尉と、ソ連軍のコズロフ大佐である。追っ手の追跡が迫る中、
河村は目的を達成できるのか。連合国が進駐するベルリンを
舞台に息詰まるサスペンスが展開する。国際謀略小説の面白
さを充分に堪能できる一冊である。

ポツダム三巨頭(トルーマン・チャーチル・スターリン)を消せ (光文社文庫)
ポツダム三巨頭(トルーマン・チャーチル・スターリン)を消せ (光文社文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
1945年7月、ドイツの戦後処理、対日戦略等を協議するためにポツダムに連合国三首脳が会した。その頃、ドイツ駐在の日本陸軍残置諜報員・河村吾郎は、戦犯狩りの追及を逃れ、戦いの時をじっと待っていた。大胆にも三巨頭の暗殺を計画したのである。史実にのっとり、抜群のアイデアと卓越した構想力でパワフルに描いた力作。

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2009年04月09日

輓馬/鳴海 章 ★★★★

事業に失敗し、全てを失った男が故郷の北海道に帰り、兄が
調教師を勤める輓曳競馬の厩舎に転がり込む。厩舎で馬の
世話をする内に新しい一歩を踏み出す決意を固める。ストー
リーとしては極めてシンプルである。ラストなど少し物足りなさ
も感じた。

しかし、馬を愛し、地道に馬の世話をする人たちの物語を読む
と、何故かほっとする物を感じるのも事実である。それは多分、
主人公の矢崎だけで無く、兄の東洋雄、騎手を目指す富永、
中学時代の同級生テツヲ、賄い婦の田中、競馬場で出会った
丹波など、脇役がしっかりと書き込まれているからだろう。

そしてこの作品のもう一つの主役は馬だ。輓曳競馬という、世
界で唯一、北海道でのみ行われている競馬が舞台である。
体重一トンもある馬が、500キロ以上の錘と騎手を乗せた橇を
引く。しかもコースには第一障害と第二障害という二つの障害
まである過酷なレースである。懸命に走る馬の描写を読むと、
主人公の矢崎だけでなく、読者にも何か熱い物が伝わって来
るようである。

都会的では無いが、北海道という大地にしっかり根ざした作品
と言えるだろう。

輓馬 (文春文庫)
輓馬 (文春文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
事業に失敗し借金取りに追われ、男は北海道の兄を頼って輓曳競馬の厩舎に逃げ込む。馬を愛し、黙黙と世話をする男たち。そして、1トン近い橇を引き、障害を必死に登る馬たち。目を剥き息を荒らげようやく一歩を踏み出す馬、膝をついて立ち止まる馬…。その姿を見る男の中に、ある決意が生まれる。

ばんえい競馬 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ばんえい十勝 公式サイト

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2009年04月05日

誘拐の果実/真保 裕一 ★★★★

現実世界では卑劣な犯罪である誘拐も、ミステリーの世界では
魅力的なテーマとなっているようだ。

過去にも『華麗なる誘拐/西村 京太郎』、『あした天気にして
おくれ/岡嶋 二人』、『私が殺した少女/原 りょう 』など、多く
の作家が誘拐物を手がけ名作を物にしている。
本作もそんな名作の一冊に加えても良いのかも知れない。

身代金の受け渡しは誘拐事件の一番のポイントであり、ミステリー
作家は知恵を絞る。犯人からの要求は身代金の代わりに、病院に
入院中の患者を殺せというものである。その意外性、そしてその
裏に潜む謎とは。

この作者の他の作品に見られる専門知識の押し売りみたいな所
も無く、読み応えのある作品に仕上がっている。娘を誘拐された
医師や家族の苦悩なども良く書けている。ただ犯人が少し優等生
過ぎるのと、終盤の展開が今一つという気もした。

誘拐の果実 (上) (集英社文庫)
誘拐の果実 (上) (集英社文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
病院長の孫娘が誘拐された。犯人からは、人質の黒髪と、前代未聞の要求が突きつけられる。身代金代わりに、入院中の患者を殺せ、というのだ。しかもその人物は、病院のスポンサーでもあり、政財界を巻き込んだ疑獄事件で裁判を待つ被告人だった。悩む家族、後手に回る警察。人質救出の極秘作戦が病院内で幕を開ける。そこに第二の事件が―。

誘拐の果実 (下) (集英社文庫)
誘拐の果実 (下) (集英社文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
身代金の代わりに「殺人」を求める異常な事件に続いて起こった第二の誘拐。今度の人質は19歳の大学生だった。犯人の周到な計画に翻弄される警察。試練を受け、新たな歩みを始める家族。謎は深まり、やがて恐るべき秘密が浮かびあがる…。スリリングな展開、迫真の描写。そして感動のラストへ!最後に誘拐の果実を手にする者は誰なのか。

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2009年04月03日

ハードボイルド・エッグ/荻原 浩 ★★★

内容(「BOOK」データベースより)
フィリップ・マーロウに憧れ、マーロウのようにいつも他人より損をする道を選ぶことに決めた「私」と、ダイナマイト・ボディ(?)の秘書が巻き込まれた殺人事件。タフさと優しさを秘めたハードボイルド小説の傑作。

ハードボイルドかぶれの探偵と、ダイナマイト・ボディ(?)の秘書
が殺人事件に巻き込まれる。主人公の探偵としての特徴を説
明するためだろうが、導入部が少し冗長に感じた。

フィリップ・マーロウのパロディーなのだが、主人公のかっこ悪さ
や秘書との絡み、ユニークな脇役達など、ユーモア小説として
楽しめる内容となっている。フィリップ・マーロウのファンも、フィ
リップ・マーロウを知らない人も笑って読めるだろう。

しかし、ユーモア小説と言っても、本筋のストーリーは極めて
オーソドックスで基本に則っている。それゆえミステリーを読み
込んでる人なら途中で犯人の想像はついてしまうだろう。

ラストは少し切ない。この作品の評価が分かれる所だろう。
個人的には、エンターテイメント作品として割り切り、バカバカ
しくも明るいラストにした方が良かったのではないかと思う。

ハードボイルド・エッグ (双葉文庫)
ハードボイルド・エッグ (双葉文庫)

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