2009年08月12日

イベリアの雷鳴/逢坂 剛 ★★★★★

第二次世界大戦時のヨーロッパを舞台にした国際謀略小説。
この手の話だと大抵はドイツのベルリンが舞台になるのだが、
この作品の舞台はスペインである。

ドイツ国防軍情報部のカナリス提督、英国情報部MI6のヴァ
ジニア・クレイトンなどが、主人公である北都昭平の正体を探
ろうとするのだが、まだ日米開戦前ということで北都自身に
大きな動きは無い。いまだ序盤戦といった所である。

代わりに活躍するのがスペインのフランコ殺害を企む一派で
ある。北都に思いを寄せるペネロペも、やがて巻き込まれて
いく。

終盤、フランコとヒトラーの会談場所に2時間ドラマの如く、
わざとらしくも関係者全員が集合する。ペネロペの件で因縁が
出来てしまった北都とヴァジニア・クレイトンの関係など、今後
の展開を期待させるに充分な内容となっている。

この作品の後、『遠ざかる祖国』、『燃える蜃気楼』、『暗い
国境線』と続く。読み応え充分な国際謀略小説である。

イベリアの雷鳴 (講談社文庫)
イベリアの雷鳴 (講談社文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
総統暗殺!?一九四〇年。内戦の痛手いまだ癒えぬスペインでは、フランコ殺害を企む一派が活動を続けていた。ジブラルタルを巡り、日英独の諜報戦が熾烈を極めるマドリードに現れた日系ペルー人の宝石商・北都昭平は、やがて激動する歴史の渦へと巻き込まれていく。苛烈な闘いを緻密に描くエスピオナージ。

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2009年08月25日

百舌の叫ぶ夜/逢坂 剛 ★★★

時系列や登場人物が輻輳し、非常に読みにくい。最初のうちは
何がなんだか判らない。終盤に向かい徐々に集束して行くのだ
が、途中何度もプロローグを読み直した。

最大の謎は兄の記憶喪失と同時に姿を消した新谷の妹の行方
だろう。中盤で明らかになるのだが、現実感に欠けるという気が
する。それは新谷兄妹の描写が不足しているからではないか。

ラストも、大掛かりな国家的陰謀でもあるのかと思っていたが、
私怨といっても良い極めて個人的な動機であり、スケールが小
さく期待はずれであった。無理やり政治家を出してこじつけたよ
うにも思える。

この作品はハードボイルドというより、プロットに重きを置いたミス
テリーといった方が良い。ハードボイルドとしては小細工を弄し
すぎているようで痛快さに欠ける。

百舌の叫ぶ夜 (集英社文庫)
百舌の叫ぶ夜 (集英社文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
能登半島の突端にある孤狼畔で発見された記憶喪失の男は、妹と名乗る女によって兄の新谷和彦であると確認された。東京新宿では過激派集団による爆弾事件が発生、倉木尚武警部の妻が巻きぞえとなり死亡。そして豊明興業のテロリストと思われる新谷を尾行していた明星美希部長刑事。錯綜した人間関係の中で巻き起こる男たちの宿命の対決。その背後に隠された恐るべき陰謀。迫真のサスペンス長編小説。

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2010年01月11日

遠ざかる祖国〈上〉/逢坂 剛 ★★★

前作『イベリアの雷鳴』に続くイベリアシリーズ第二弾。しばらく
は前作の後日談のような展開がつづく。その後も史実に基づい
た展開が淡々とつづき、やや盛り上がりに欠ける。

イギリスに単独飛行し和平交渉をしようとしたルドルフ・ヘスの
ような実在の人物も登場する。本シリーズで重要な役割を果た
す国防軍情報部(アプヴェーア)の部長ヴィルヘルム・カナリス
提督や、その部下のハンス・オスター大佐も実在の人物である。

彼らがどんな運命をたどるか知っているだけに、今後の展開が
気になる所ではある。もちろん、戦争に引き込まれようとしてい
る日本の運命も。

遠ざかる祖国〈上〉 (講談社文庫)
遠ざかる祖国〈上〉 (講談社文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
一九四一年、マドリード。日系ペルー人宝石商として社交界にも出入りする北都昭平は、陸軍参謀本部の密命を帯びたスパイだった。日米開戦の阻止に動く大物日本公使、日本の暗号の解読疑惑、ナチス内部の暗闘…。現代史の裏面を織り交ぜながら、第二次世界大戦を圧倒的迫力で語るエンタテインメント大作。

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2010年01月14日

遠ざかる祖国〈下〉/逢坂 剛 ★★★★

第二次世界大戦下のスペインで諜報活動を行う北都昭平を
主人公とした作品。北都はMI6のヴァジニア・クレイトンと共
に英国に渡り、ドイツ軍の空襲にも屈しない英国の底力を実
感する。また、諜報活動の結果、日本の暗号が解読されてい
る事を知る。日本の開戦を阻止するべく活動するが、北都の
思いとは裏腹に歴史の歯車は回っていく。

前作『イベリアの雷鳴』から本作までは、まだ日本は開戦して
おらず、欧州における諜報員同士の腹の探りあいといった感
じである。

作品の終盤で、日本が真珠湾を攻撃し日米開戦となる。
ようやく物語が本格的に動き始めたという所で終わり。

はたして日本の運命は?
そして敵国人となってしまった北都とヴァジニアの恋の行方は?
次作以降に期待したい。

遠ざかる祖国〈下〉 (講談社文庫)
遠ざかる祖国〈下〉 (講談社文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
「日本が真珠湾奇襲」奇妙な噂がヨーロッパを駆けめぐった。熾烈な諜報戦の戦場スペイン。互いに正体を疑いながらも、北都は、イギリス秘密情報部のスパイ・ヴァジニアと惹かれあい、日米開戦の回避に奔走するが…。日本人スパイの眼を通して第二次世界大戦の時代を描く、壮大なエスピオナージ・ロマン。

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