2006年04月26日

顔に降りかかる雨/桐野 夏生 ★★

内容(「BOOK」データベースより)
親友のノンフィクションライター宇佐川耀子が、一億円を持って消えた。大金を預けた成瀬時男は、暴力団上層部につながる暗い過去を持っている。あらぬ疑いを受けた私(村野ミロ)は、成瀬と協力して解明に乗り出す。二転三転する事件の真相は?女流ハードボイルド作家誕生の’93年度江戸川乱歩賞受賞作。

はっきり言って楽しめませんでした。
出だしは暗いし、興味を引かない。
人探しというありふれたパターン。
何故、主人公が失踪した友人を探さなければならないのか良く判らない。
さしたる山場も無く淡々と続くストーリー。
なんとなく先が読めてしまう展開です。

この作品の中で、主人公の親友のノンフィクションライターが、ベルリンで人種差別を体験するために金髪のカツラかぶって娼婦みたいな格好して歩くってのがありますが、これは人種差別なんかじゃなくて、ただ単に人格を疑われてるだけだと思います。

人種差別を体験したければ、普通の格好してレストランで食事するとか、ホテルに泊まったりすれば体験できると思います。
その方が奇抜な行動をするより、より深いものが見えてくるのではないでしょうか。

顔に降りかかる雨
顔に降りかかる雨
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2009年05月14日

天使に見捨てられた夜/桐野 夏生 ★★★★★

私立探偵・村野ミロを主人公とした女流ハードボイルド。江戸川
乱歩賞受賞作の『顔に降りかかる雨』の続編という位置づけと
なっている。

一読して驚いた。『顔に降りかかる雨』は奇をてらい過ぎた感も
あり、あまり楽しめなかったのだが、本作は同じ主人公を使った、
同じ作者の作品なのに、別人のように小説が上手くなっている。

主人公の村野ミロは失踪したAV女優・一色リナの捜索を依頼さ
れる。最初の内は捜索がテンポ良く進み過ぎるような気がした。
また、登場人物達の言動や行動には疑問を感じる箇所もあった。
しかし、リナの捜索が進むに伴い物語に引き込まれて行く。

悲惨なリナの過去。被害者と思われていた立場が逆転する瞬間
の、恐怖感の盛り上げが見事。『天使に見捨てられた夜』という
タイトルも上手く合っている。

個人的には落ち込んでいるミロの描写が面白かった。落ち込ん
でいるミロを見るともっといじめたくなるような気がした。
お勧めの作品です。

天使に見捨てられた夜 (講談社文庫)
天使に見捨てられた夜 (講談社文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
失踪したAV女優・一色リナの捜索依頼を私立探偵・村野ミロに持ち込んだのは、フェミニズム系の出版社を経営する渡辺房江。ミロの父善三と親しい多和田弁護士を通じてだった。やがて明らかにされていくリナの暗い過去。都会の闇にうごめく欲望と野望を乾いた感性で描く、女流ハードボイルドの長篇力作。

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posted by まどか at 04:47| ☔| Comment(3) | TrackBack(0) | 桐野 夏生 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月15日

ダーク (上)/桐野 夏生 ★★★

いったい村野ミロに何が起きたんだ? と言うより、作者に何
が起きたのだろう。前作『天使に見捨てられた夜』では上質な
女流ハードボイルドの世界を構築していたのが、本作では一
転、題名そのもののダークな世界となる。

前作でミロと良い関係を築いていたゲイの隣人友部は、裏切
りや打算に塗れた人物として描かれている。作者はゲイにで
も振られたのだろうか。

物語を読み進めるうち、ここに書かれている世界は全てギャグ
なのでは無いかとすら感じてしまった。そんな中で、ミロの義父
善三と暮らしていた盲目のマッサージ師、久恵の描写は秀逸。
愛する男を殺され、ミロに復讐を誓う姿には女の執念を感じた。

この作品ではミロの変貌振りが唐突すぎる。獄中の男の手紙
を隠匿していたくらいで義父を殺そうとまでするだろうか。今ま
でのシリーズを読んでいた読者には戸惑いが大きいだろう。

ダーク (上) (講談社文庫)
ダーク (上) (講談社文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
「私の中の何かが死んだ」出所を心待ちにしていた男が四年前に獄中自殺していた。何も知らされなかった村野ミロは探偵を辞め、事実を秘匿していた義父を殺しにいく。隣人のホモセクシャルの親友。義父の盲目の内妻。幼い頃から知っている老ヤクザ。周囲に災厄をまき散らすミロを誰もが命懸けで追い始めた。

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posted by まどか at 18:36| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 桐野 夏生 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月16日

ダーク (下)/桐野 夏生 ★★★

ミロは偽造パスポートを入手し「朴美愛」名義の韓国人として
釜山に逃亡する。海雲台やチャガルチ市場、そしてその近く
にある山の上の街まで、作者は釜山を良く調べているという
印象を受けた。ソウルでも、観光客であふれた明洞ではなく、
梨泰院をミロの隠れ家にするなど、渋いですね。

この作品が面白いかというと、決して面白くはない。馳星周
の書く暗黒小説のように、引きずり込まれるような「何か」が
ある訳ではない。それは、読者の頭の中に、シリーズ物とし
てのミロのイメージが固まってしまっており、本作のミロには
違和感を持ってしまうからでは無いだろうか。

作者はそんなイメージを払拭したかったのかも知れない。そ
れ故に、ミロはあくまでも悪辣に、友部や久恵は人間の汚い
部分を強調されて描かれる。

ちなみに、盲目の久恵と暮らす善三と、下半身不随になった
徐に寄り添うミロは、血は繋がってなくとも、やはり親子だと
感じた。

終盤、友部が、悪い夢を見ていたのかも知れない、と言うくだ
りがあるが、全ては悪夢で、目が覚めれば新宿で私立探偵を
続けているミロがいるのかも知れない。

もっとも、それに対するミロの返答は、「あれは現実そのもの
で、あなたは本当は悪い人なのよ」というものであったが。

ダーク (下) (講談社文庫)
ダーク (下) (講談社文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
「朴美愛」偽造パスポートを手に入れたミロは海峡を越え韓国に渡る。偽ブランド品を手がける現地の男と即座に愛人契約を結ぶが、彼は自分の身代わりとなって撃たれ下半身の自由を失ってしまう。深い愛情で結びついた二人は復讐を決意した。覚醒剤、レイプ、殺人。善悪を超えて世界を圧倒する壮絶な魂の遍歴。

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posted by まどか at 22:04| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 桐野 夏生 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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