2008年06月02日

4TEEN/石田 衣良 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
東京湾に浮かぶ月島。ぼくらは今日も自転車で、風よりも早くこの街を駆け抜ける。ナオト、ダイ、ジュン、テツロー、中学2年の同級生4人組。それぞれ悩みはあるけれど、一緒ならどこまでも行ける、もしかしたら空だって飛べるかもしれない―。友情、恋、性、暴力、病気、死。出会ったすべてを精一杯に受けとめて成長してゆく14歳の少年達を描いた爽快青春ストーリー。直木賞受賞作。

大人でもない、子供でもない、誰でも人生で一度だけある、14歳と
いう特別な年を過ごす、4人の少年を描いた連作短編集。
だけど、かなり大人びた14歳だという印象を受けた。

特に第一話なんか、中学生というより、旧制高校を舞台にした話
のような気がした。ちょっと古すぎるかな。
援交の女子高生が、「やることはちゃんとやる」なんて台詞を吐くのも
興醒めです。それじゃまるでプロの売春婦じゃないですか。
援交女子高生なら、もっとちゃらちゃらしていて然るべきです。

この作品、直木賞取ってるんだよね。
直木賞って、いつの間にジュニア部門が出来たの?
と思う位、今まで読んできた直木賞作品とは趣を異にする作品です。
作品の舞台である月島の描写は秀逸。ただ、自分が14歳だった頃と
比べると、かなりギャップを感じた。

4TEEN (新潮文庫)
4TEEN (新潮文庫)

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2009年06月15日

アキハバラ@DEEP/石田 衣良 ★★★★

社会不適合者みたいな6人の男女が、画期的なAI型検索エンジン
を開発する。現代のおとぎ話ですね。マイクロソフトを創業したビル・
ゲイツはハーバード大学の学生だったし、Googleの創立者たちは
スタンフォード大学の博士課程に在籍していた。オタク的要素はあっ
たとしても、決して社会不適合者ではない。それどころか、エリート
層に属していたと言って良い。ちなみに、本作の主人公の一人で
あるページと言う名前は、Google創立者の一人、ラリー・ペイジと
同名である。

検索エンジンという目の付け所は良いと思う。検索エンジンを征する
と言う事は、ネットの世界を征するも同然と言って良い。サイトにアク
セスを集めるには、サイトの質的優劣では無く、検索エンジンに上位
表示されるかにかかっている。

言わばサイトの殺生与奪権を検索エンジンが握っているのだ。
Googleの検索アルゴリズムであるPageRankを上げる為に、企業が
金と人手をかけてバックリンクを構築しているのが現状である。
本作では、利用者から定額課金をすると言っていたが、そんな必要
は無いのである。金はサイト管理者からいくらでも集められる。

この作品は、おとぎ話と割り切れば、それなりに退屈しないで読める。
登場人物も個性豊かであり、秋葉原の情景など思い浮かべながら
読む事が出来る。ただ、ラストの展開はあまりにも芸が無い。
ページ(と言うか、作者)にはもう少し考えて欲しかった。

あと、作品タイトルの@DEEPというのは違和感がありますね。大昔の
メインフレームじゃないんだから、普通は小文字で@deepでしょう。
それと、インターネット上に介在するプログラムをマシン語で書くかな、
と言う気がします。

アキハバラ@DEEP (文春文庫)
アキハバラ@DEEP (文春文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
社会からドロップアウトした5人のおたく青年と、コスプレ喫茶のアイドル。彼らが裏秋葉原で出会ったとき、インターネットに革命を起こすeビジネスが生まれた。そしてネットの覇権を握ろうとする悪の帝王に、おたくの誇りをかけた戦いを挑む!TVドラマ、映画の原作としても話題の長篇青春電脳小説。

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2009年08月21日

池袋ウエストゲートパーク/石田 衣良 ★★★★★

生き生きと、躍動感にあふれた若者の心をそのまま小説に書き
しるす。こういう新鮮な文章の書ける作家に出会ったのは、本当
に久しぶりである。

この作品が多くの読者に読まれているのは、マコトという主人公
の造形に成功した事が大きいだろう。大人でもなく、子供でも無
い。漫画や映画ではなく、少なくともミステリーという分野で、この
ような主人公が登場する作品は初めてでは無いだろうか。

本書に書かれている内容は、見方によっては暗くきつい。心を病
んでいる人間が書かれている。しかし、その内容にも関わらず、
読後感がさわやかですらあるのは、マコトの性格と、軽妙な語り
口にあるのだろう。

しかし、第一話での印象が鮮烈だったためか、第二話以降で
「揉め事処理人」という名称にマコトがなってしまうと、とたんに
月並みな物に感じてしまう。作者としては、物語を継続する上で、
マコトのポジションを決める必要があったのだろうが。

第二話以降の話は、全て第一話『池袋ウエストゲートパーク』の
オマケであるのではないか。第二作『少年計数機』、第三作『骨
音』と読み進めるうちに、その思いは強くなる。

池袋ウエストゲートパーク (文春文庫)
池袋ウエストゲートパーク (文春文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
刺す少年、消える少女、潰し合うギャング団…。ストリートの「今」を鮮烈に刻む青春ミステリーのニュービート。オール読物推理小説新人賞受賞。

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posted by まどか at 12:30| ☁| Comment(1) | TrackBack(1) | 石田 衣良 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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