2007年04月24日

リカ/五十嵐 貴久 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
妻子を愛する42歳の平凡な会社員、本間は、出来心で始めた「出会い系」で「リカ」と名乗る女性と知り合う。しかし彼女は、恐るべき“怪物”だった。長い黒髪を振り乱し、常軌を逸した手段でストーキングをするリカ。その狂気に追いつめられた本間は、意を決し怪物と対決する。単行本未発表の衝撃のエピローグがついた完全版。第2回ホラーサスペンス大賞受賞。

導入部がかったるい。
出会い系の説明が延々と続くので、途中で読むのをやめようかと思っちゃったよ。
エンタメ作品なら冒頭で読者の興味を引くような工夫をするべきだよね。
でもまあ、こうしてあたしのレビューが読めるんだから、キミたちは幸せだよね。

それにしても、この主人公は危機管理意識が低いですね。
会社のパソコンから出会い系サイトにアクセスするなんて、バカですね。
そもそも、まともな会社ならフィルタリングしてるよね。
きっと三流会社なんですね。

物語の後半で超人的になったリカには、何か作り物めいた印象を受けてしまった。
異様な外見や超人的能力など怪物としての怖さより、変な考えに取り憑かれた
人間としての怖さを追求して欲しかった。
文庫版で加筆されたエピローグは無くても良かったと思う。

異常な精神力、極度にねじ曲がった自尊心、思い込み、妄執、
理由はわからないが膨れ上がったプライド、
こんな人が実際にいたら怖いよね。

リカ
リカ
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2008年05月09日

Fake/五十嵐 貴久 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
平成16年1月。興信所の調査員・宮本と20歳の東大生・加奈は、浪人生・昌史を東京芸大に受からせるため、大学入試センター試験で完璧なカンニングを実行する。しかし、カンニングは露呈し、宮本は職を、加奈は学籍を失った。彼らを嵌めたのはカジノのオーナーで砥川組組長の息子・沢田。宮本、加奈、昌史、そして昌史の父で元港区会議員の西村は復讐のため、沢田と10億円を賭けたポーカーの勝負をする。入念なイカサマを仕掛けた4人は、絶対に負けるはずがなかったが―。名画「スティング」を超える驚愕の大仕掛け。奇跡のラストが待っている、痛快至福のエンタテインメント小説。

まるで『カイジ/福本 伸行』の小説版みたい。
ポーカーの勝負をカジノのオーナーで砥川組組長の息子・沢田に
受けさせるようまとめ上げたり、実際のポーカー勝負のスリル溢れる
駆け引きや緊迫感は、まさに『カイジ』の世界である。

ただ、前半のカンニングとポーカーのイカサマが同じネタなのは
やや芸がない。最後は意外な展開となるが、強引と言う気がして
ならない。実際リアリティーは無いだろう。

コンゲームを題材とした小説として退屈せずに読めるが、若干台詞
回しに読みにくい部分があるのが気になった。
ラストの決着の仕方や、主人公の宮元と加奈の関係も今一つ
すっきりしない。

Fake (幻冬舎文庫 い 18-4)
Fake (幻冬舎文庫 い 18-4)

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2008年05月29日

安政五年の大脱走/五十嵐 貴久 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
安政五年、井伊直弼に謀られ、南津和野藩士五十一人と、美しく才気溢れる姫・美雪が脱出不可能な絖神岳山頂に幽閉された。直弼の要求は姫の「心」、与えられた時間は一カ月。刀を奪われ、逃げ道を塞がれた男達は、密かに穴を掘り始めたが、極限状態での作業は困難を極める…。恋、友情、誇りが胸を熱くする、痛快!驚愕!感動の娯楽大作。

器用な作家である。今まで『リカ』、『交渉人』、『Fake』と読んできたが
一作ごとに異なった題材を取り上げている。しかし、その器用さ故か、
作品をこねくり回してしまい、結果として、落ちに鋭さを欠く傾向があ
るのではないだろうか。本作でもその傾向が当てはまる。

敵味方のキャラクターは良く書けているし、スピード感のある展開で、
娯楽作としては充分楽しめる。ただ、かなり強引なストーリー展開や
舞台装置で、脱走劇を書きたかっただけでは無いかという気もする。

一ヶ月というタイムリミットがある中で、数々の障害を乗り越え脱出
を試みる南津和野藩士には感情移入できる。しかし、愚直に穴を
掘る南津和野藩士を応援していた分だけ、読者が望んでいたのは
「意外な結末」では無く「達成感」だったのでは無いだろうか。

安政五年の大脱走 (幻冬舎文庫)
安政五年の大脱走 (幻冬舎文庫)

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2009年02月17日

1985年の奇跡/五十嵐 貴久 ★★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
おニャン子に夢中だったあの頃。僕らの弱小高校野球部にスゴイ奴がやってきた!『夕やけニャンニャン』を見ること以外何のヤル気もない僕らが、アイツのおかげでひょっとしたら甲子園に行けるかも!ってマジ!?―山あり谷あり、笑いあり涙ありでページをめくる手が止まらなくなる青春小説の傑作だ。

面白いです、この作品。思わず一気に読み切ってしまった。
受験指導に力を入れる高校にやってきた転校生が、弱小野球
部に入り天才的なピッチングを披露する。しかし、彼には隠され
た秘密があった。

漫画的であり、現実には起こり得ないと判っていても、物語に
ぐいぐい引き込まれる。1985年を舞台とし、『夕やけニャンニャン』
や『おニャン子クラブ』等の時代背景が効果的に使われている。

規制だらけの、まるで中学校のような高校生活や、野球部員の
ダメダメぶりなど、思わず自分の高校時代を思い出してしまう。
中川という校長や、女子マネージャーの真美など、脇役のキャラ
クターも良く描けているし、ラストのトリックや、その伏線もうまく
利いている。娯楽作として文句無く楽しめる作品である。

1985年の奇跡 (双葉文庫)
1985年の奇跡 (双葉文庫)

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2009年12月27日

TVJ/五十嵐 貴久 ★★★★

某文学賞に応募した、作者の幻のデビュー作なのだそうだ。
だけど、この作品で賞は取れないだろう。それどころか、
吊るし上げをくらっても仕方ないと言うのが素直な感想である。

作品としては非常に面白い。軽快なテンポで一気に読める。
だけど、どこかで観た事がある面白さなのだ。犯人の行動や
狙いなど、容易に想像がついてしまう。

ただ、登場人物のキャラクター作りの上手さ、軽快なストーリー
運び、交渉人の登場など、その後の作者の活躍を感じさせる
ものはある。

一つ気になったのは、コンピュータルームに消火器が置いて
あるのだろうか、という事である。普通、大規模なコンピュータ
ルームでは、消火設備にはハロンガスを使うのではないだろ
うか。まあ、瑣末な事ではあるが。

TVJ (文春文庫)
TVJ (文春文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
お台場にあるテレビ局が、72時間テレビ生本番の最中に、正体不明のグループにのっとられた。劇場型犯罪に翻弄される警察。犯人たちの真の狙いは何か?30歳を目前にした女子経理部社員が、人質になった恋人を救うため、たったひとりで立ち向かう。手に汗握る、著者の全てが詰まった幻のデビュー作。

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ラベル:ミステリー
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