2007年05月31日

栄光一途/雫井 脩介 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
オリンピックを目前に控えた日本柔道強化チームのコーチ望月篠子は、柔道界の重鎮から極秘の任務を言い渡された。「代表候補の中から、ドーピングをしている選手を突き止めよ」重圧に堪えながら真実を追う篠子は、スポーツ界を蝕む病に直面する。爽快な語り口と絶妙なテンポで繰り広げられる、シリーズ第一弾。鮮烈なるデビュー作。

今、最も脂がのってる作家の一人である雫井脩介のデビュー作です。
柔道コーチの望月篠子が、ドーピングをしている選手の調査を行う。
体育会系の人間関係や、迫力ある試合の描写など、柔道を知らない
人が読んでも充分楽しめます。
「虚貌」や「火の粉」で感じた、読者に思わずページをめくらせる力を、
すでにデビュー作から身に付けていたようです。

ただ、登場人物たちの行動には、そこまでする必然性があるのか?
という疑問が残りました。
それに、叙述ミステリーを読み込んでいる人なら、途中でピンとくる
物があると思います。まあ、そんなことは気にせず、最後の結末を
楽しむのが正しい読み方かも知れませんが。

逆境の中で一所懸命頑張っているヒロインの篠子は、つい応援したく
なります。篠子に協力する友人の佐々木深紅も良い味を出しています。
シリーズ第二作の「白銀を踏み荒らせ」も読んでみたくなりました。

栄光一途
栄光一途
posted by まどか at 03:34| Comment(3) | TrackBack(0) | 雫井 脩介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月31日

犯人に告ぐ/雫井 脩介 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
闇に身を潜め続ける犯人。川崎市で起きた連続児童殺害事件の捜査は行き詰まりを見せ、ついに神奈川県警は現役捜査官をテレビニュースに出演させるという荒技に踏み切る。白羽の矢が立ったのは、6年前に誘拐事件の捜査に失敗、記者会見でも大失態を演じた巻島史彦警視だった―史上初の劇場型捜査が幕を開ける。第7回大藪春彦賞を受賞し、「週刊文春ミステリーベストテン」第1位に輝くなど、2004年のミステリーシーンを席巻した警察小説の傑作。

現役捜査官がテレビに出演するという、劇場型捜査を描いた
作品。この作品自体が劇行型と言うか映像向きである。
主人公が県警本部長から劇場型捜査を言い渡される場面など、
映画の一シーンを見ているようだった。実際映画にもなっている。

物語としては面白いのだが、残念ながら犯人の描き方が中途
半端で魅力が感じられない。既に終息している事件の掘り起こし
のような形となり、主人公と犯人の手紙のやり取りも今一つ盛り
上がらない。逆に前半で登場した『ワシ』の方が存在感があった
りする。

前評判が高かったのでやや期待はずれの感もあるが、作者
のストーリーテラーとしての才能は遺憾なく発揮されており、
エンターテイメント作品としては充分楽しめる一作である。

犯人に告ぐ〈上〉 (双葉文庫)
犯人に告ぐ〈上〉 (双葉文庫)

犯人に告ぐ 下 (2) (双葉文庫)
犯人に告ぐ 下 (2) (双葉文庫)

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posted by まどか at 03:48| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 雫井 脩介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月25日

クローズド・ノート/雫井 脩介 ★★★★

『虚貌』、『火の粉』、『犯人に告ぐ』など、ハードなミステリーを書い
てきた雫井脩介氏の作品だが、これらの作品とは若干趣きが変
わっている。どちらかと言えば主人公の雰囲気などデビュー作の
『栄光一途』に近いだろう。

作品の内容は、少し読んだだけで先の展開が読めてしまう。ただ、
小学校の教員である伊吹先生のノートは非常にリアリティーがあり、
主人公の香恵だけでなく、一緒に読んでいる自分も四年二組の
一員になったような気がしてくる。作者の姉の日記がベースになっ
ているとの事だが、上手く物語りの中にまとめられているのは作者
の力量だろう。

ラストは確かに感動的なのだが、予測の範囲内に収まってしまっ
たという感がある。無神経で優柔不断な印象を受けるイラストレー
ターの彼に、もっとキツイ一発を喰らわせてやりたかった、と言うの
が個人的な感想である。伊吹ノートがあればネタには困らないと
思うのだが。

タイトル通り、本当の物語はノートを閉じた時から始まるのだろう。
そして、ノートを閉じる時、主人公の香恵だけでなく、読者にも、
伊吹先生ありがとう、という思いが残るのではないだろうか。

クローズド・ノート (角川文庫)
クローズド・ノート (角川文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
堀井香恵は、文具店でのアルバイトと音楽サークルの活動に勤しむ、ごく普通の大学生だ。友人との関係も良好、アルバイトにもやりがいを感じてはいるが、何か物足りない思いを抱えたまま日々を過ごしている。そんななか、自室のクローゼットで、前の住人が置き忘れたと思しきノートを見つける。興味本位でそのノートを手にする香恵。閉じられたノートが開かれたとき、彼女の平凡な日常は大きく変わりはじめるのだった―。

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posted by まどか at 06:54| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 雫井 脩介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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