2006年07月14日

龍は眠る/宮部 みゆき ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
嵐の晩だった。雑誌記者の高坂昭吾は、車で東京に向かう道すがら、道端で自転車をパンクさせ、立ち往生していた少年を拾った。何となく不思議なところがあるその少年、稲村慎司は言った。「僕は超常能力者なんだ」。その言葉を証明するかのように、二人が走行中に遭遇した死亡事故の真相を語り始めた。それが全ての始まりだったのだ…宮部みゆきのブロックバスター待望の文庫化

ミステリーというよりはSF小説ですね。
超能力をもった少年達の苦悩がメインのテーマとなる。
ミステリーの要素はそのおまけみたいなもの。
超能力をもって生まれてしまったが故に苦悩する少年達の描写は秀逸。
昔読んだ筒井康隆の「七瀬ふたたび」を思い出してしまった。

ただ、小説としてみると、冒頭の主人公と超能力を持った少年との
出会いは良く書けているが、終盤の事件が起こるまでの間が冗長。
もう少し簡潔な構成にした方が小説として締まったのでは無いか。
事件の構図も単純で、ミステリーとしては物足りない。

龍は眠る
龍は眠る
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2007年02月15日

R.P.G./宮部 みゆき ★★★★

出版社/著者からの内容紹介
住宅地で起きた殺人事件。殺された男性はインターネットの掲示板上で「疑似家族」を作っていた。殺人に関わりが? 虚実が交錯し、見えてきたものは…文庫書下ろしミステリー!

R.P.G.
タイトルが面白いですね。
タイトルどおりゲームみたいな作品です。
ただ、ゲームのからくりは、途中で判ってしまう人が多いかも知れませんが。

あと、この作品には、「クロスファイア」の石津ちか子刑事と、
「模倣犯」の武上刑事が出てきますが、過去の作品の登場人物
を出すと言うのは、出版社の販促戦略か、それとも作者の手抜き
でしょうか。
別にこの人たちでなくても良い様な気がします。

R.P.G.
R.P.G.
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2007年09月11日

火車/宮部 みゆき ★★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。自らの意思で失踪、しかも徹底的に足取りを消して―なぜ彰子はそこまでして自分の存在を消さねばならなかったのか?いったい彼女は何者なのか?謎を解く鍵は、カード会社の犠牲ともいうべき自己破産者の凄惨な人生に隠されていた。山本周五郎賞に輝いたミステリー史に残る傑作。

休職中の刑事、その息子、家政夫を職業とする男性とその妻など、
独特のテンポをもった登場人物たちが、作品の中で生きている。
冒頭で、主人公の置かれている状況を地の文で説明するのでは無く、
自然な描写で読者に伝えたり、実際には物語りに登場していない、
失踪した女性の心理や行動を、女性の過去を調査する過程で描いて
いるのは、上手いとしか言いようが無い。
謎の女性が最後まで正体を現さないのもサスペンスを盛り上げる。
この作品で直木賞あげても良かったのではないかと思う。
秀作です。

火車 (新潮文庫)
火車 (新潮文庫)
posted by まどか at 19:22| Comment(0) | TrackBack(4) | 宮部 みゆき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月20日

蒲生邸事件/宮部 みゆき ★★★

内容(「BOOK」データベースより)
予備校受験のために上京した受験生・孝史は、二月二十六日未明、ホテル火災に見舞われた。間一髪で、時間旅行の能力を持つ男に救助されたが、そこはなんと昭和十一年。雪降りしきる帝都・東京では、いままさに二・二六事件が起きようとしていた―。大胆な着想で挑んだ著者会心の日本SF大賞受賞長篇。

二・二六事件、時間旅行者、蒲生邸で起こった怪事件、
戦争の悲惨さ、蒲生邸で働く女中との淡い恋。
長い長い物語に、様々な要素が盛り込まれている。
しかし、その分テーマが分散してしまった印象がある。
作者の主張が明確に伝わって来ない。
もちろん読み物としてはそれなりに退屈せず読めるのだが。
いったい作者は何を書きたかったんだろうか?

蒲生邸事件 (文春文庫)
蒲生邸事件 (文春文庫)
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2008年01月27日

魔術はささやく/宮部 みゆき ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
それぞれは社会面のありふれた記事だった。一人めはマンションの屋上から飛び降りた。二人めは地下鉄に飛び込んだ。そして三人めはタクシーの前に。何人たりとも相互の関連など想像し得べくもなく仕組まれた三つの死。さらに魔の手は四人めに伸びていた…。だが、逮捕されたタクシー運転手の甥、守は知らず知らず事件の真相に迫っていたのだった。日本推理サスペンス大賞受賞作。

宮部さんらしい作品です。
初期の作品であり、都合の良い設定や未熟な部分もありますが、
何と言っても宮部さんの長所である登場人物の描写が秀逸です。
登場人物が物語の中で生きています。

最初は、ミッシングリンク物か、なかなか魅力的だけど、
ちょっとありきたりかな、と思って読み進めました。
ところが、事件そのものは作品の中盤でほぼ解決してしまうんですね。
そして、それからがこの作品の本題となります。
単なる謎解きのミステリーでは無く、人間を書こうという作者の思いが
伝わってきます。

魔術はささやく (新潮文庫)
魔術はささやく (新潮文庫)

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2008年06月17日

理由/宮部 みゆき ★★★

内容(「BOOK」データベースより)
事件はなぜ起こったか。殺されたのは「誰」で、いったい「誰」が殺人者であったのか―。東京荒川区の超高層マンションで凄惨な殺人事件が起きた。室内には中年男女と老女の惨殺体。そして、ベランダから転落した若い男。ところが、四人の死者は、そこに住んでいるはずの家族ではなかった…。ドキュメンタリー的手法で現代社会ならではの悲劇を浮き彫りにする、直木賞受賞作。

荒川区の超高層マンションで起こった殺人事件をめぐり、
事件に関わった人たちのインタビューという形で物語りは進む。
淡々とした展開が延々と続くので、途中で何度も読むのを
やめようかと思った。

謎解きのスリルや興奮、スピード感といったものは一切無い。
ミステリーと言うより、ドキュメンタリーと言った方が良いだろう。
当然クライマックスも無く、読み終わった後の感動も無い。
ただ単に事件の真相が明らかになっただけである。

ただ、インタビューで語られる人間関係の機微みたいなものは
良く書けている。この辺は人間を書くのが上手い宮部さんの
長所が良く出ている。特に嫁、姑、小姑など女性特有の間柄や
親子の微妙な関係などは秀逸。しかし、子供、特に男の子が
皆良い子すぎるような気もする。

よく言えば、意欲作、実験作と言えない事も無いが、悪く言えば
失敗作、駄作とも言える。

理由 (新潮文庫)
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2008年10月27日

レベル7(セブン) /宮部 みゆき ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
レベル7まで行ったら戻れない―。謎の言葉を残して失踪した女子高生。記憶を全て失って目覚めた若い男女の腕に浮かび上がった「Level7」の文字。少女の行方を探すカウンセラーと自分たちが何者なのかを調べる二人。二つの追跡行はやがて交錯し、思いもかけない凶悪な殺人事件へと導いていく。ツイストに次ぐツイスト、緊迫の四日間。気鋭のミステリー作家が放つ力作長編。

「レベル7」という言葉に隠された謎とは?
失踪した女子高生と、記憶を失った男女が織り成すサスペンスです。
サスペンスとしてみれば、謳い文句どおりツイストに次ぐツイストで、
ページをめくる手が止まりませんが、ミステリーとして冷静にみると、
いくつか気になる点があります。

実際には、こんな手の込んだ事はしないだろうなという気がします。
この作品のタイトルでもあり、読者を引き付けるキーワードである
「レベル7」という言葉も、物語の中ではあまり重要な要素では無
かったりします。

終盤の展開は、先が読めてしまいます。もちろんそれは、安っぽい
作りなのではなく、計算された伏線が張られていて、巧みに読者を
リードしているからなのですが。

犯人の結末も、納得できない部分があります。
登場人物たちは、これで満足したのでしょうか。

作者の長所である登場人物の描写の上手さや、緻密な構成により、
ミステリーとしては粗もありますが、サスペンスとして読むなら充分に
楽しめる作品です。

レベル7(セブン) (新潮文庫)
レベル7(セブン) (新潮文庫)

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posted by まどか at 21:25| ☔| Comment(1) | TrackBack(1) | 宮部 みゆき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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