2006年06月04日

十角館の殺人/綾辻 行人 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
半年前、凄惨な四重殺人の起きた九州の孤島に、大学ミステリ研究会の七人が訪れる。島に建つ奇妙な建物「十角館」で彼らを待ち受けていた、恐るべき連続殺人の罠。生き残るのは誰か?犯人は誰なのか?鮮烈なトリックとどんでん返しで推理ファンを唸らせた新鋭のデビュー作品。

外部から隔絶された孤島を訪れたミステリーサークルのメンバーが、一人ずつ殺されていく。

アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」以来、多くの作家が扱ってきた、悪く言えば使い古されたパターン。
しかし、使い古されたパターンであるがゆえに、メンバー間の疑心暗鬼などサスペンスは盛り上がる。
ミステリーサークルの各メンバーのキャラクターもうまく書けている。

ただ、犯人は割と順当な人物で、途中で想像がついてしまった。
最後の二人になって、ある物を発見した後の展開は疑問である。
あまりにも無防備としか言いようが無い。
本土での展開や探偵役も必要性があるのか疑問。

もう一ひねりあるかなと思ってページをめくったら、そこは作者後書きと解説だった。

とは言え、充分楽しめる一級の作品である事は間違いない。

十角館の殺人
十角館の殺人

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2006年07月02日

水車館の殺人/綾辻 行人 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
古城を思わせる異形の建物「水車館」の主人は、過去の事故で顔面を傷つけ、常に仮面をかぶる。そして妻は幽閉同然の美少女。ここにうさんくさい客たちが集まった時点から、惨劇の幕が開く。密室から男が消失したことと、1年前の奇怪な殺人とは、どう関連するか?驚異の仕掛けをひそませた野心作。

異形の館、仮面の主人、幽閉同然の美少女、うさんくさい客、がけ崩れによる外部との隔絶、そして名探偵登場!
リアリティーもクソも無く、浮世離れした設定ではあるが、この作品はそのレトロな雰囲気を楽しむ為の作品である。
作品の出来としては、前作「十角館の殺人」と比べると、若干書き急いだかと思われる印象あり。

水車館の殺人
水車館の殺人
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2006年07月03日

殺人鬼/綾辻 行人 ★★

内容(「BOOK」データベースより)
夏期合宿のため双葉山を訪れた親睦団体「TCメンバーズ」の一行。人里離れた山中での楽しいサマーキャンプは、突如出現した殺人鬼によって、阿鼻叫喚の地獄と化した。次々と殺されてゆく仲間たち…手足が切断され、眼球が抉りだされ、生首は宙を舞う。血塗れの殺戮はいつまで続くのか。殺人鬼の正体は。驚愕の大トリックが仕掛けられた、史上初の新本格スプラッタ・ホラー。

残酷な描写は多いけど、肝心の心理描写が不足している。
その場で殺される人の恐怖感は書かれているが、残されたメンバーは終盤になるまで他の人が殺されている事を知らず、行方不明と思ったままである。
この手の小説では、残酷な場面だけではなく、仲間が一人ずつ殺されていく恐怖感など、じわじわと追い詰められて行く被害者たちの心理が重要な見せ場だと思うが、残念ながらその辺りは希薄になってしまった。
あと、この作品は推理小説じゃないんだから、小ざかしい小細工は不要。

殺人鬼
殺人鬼
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2006年07月11日

迷路館の殺人/綾辻 行人 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
奇怪な迷路の館に集合した四人の作家が、館を舞台にした推理小説の競作を始めたとたん、惨劇が現実に起きた。完全な密室と化した地下の館で発生する連続殺人の不可解さと恐怖。逆転また逆転のスリルを味わった末に読者が到達する驚愕の結末は?気鋭が異色の構成で挑む野心的な長編本格ミステリー。

作中作という、非常に凝った作品。
本の中に本があり、目次や登場人物紹介、あとがきまである。
出版社も良くやると言うか、逆に、ここまでやらないと、この作品の
雰囲気が出ないと言うべきかか。

作中作の中で、館に集合した作家達が、自分の書いた小説の通り
に殺されていくという、小説自体が迷路のように入り組んだ作品である。
ただ、作品の中で、作中作の作者がフェア・アンフェアに必要以上に気を
遣うと書いているが、ある人物の記述は、やはり卑怯だという気がする。

大胆な構成で、最後の最後まで楽しめる、お勧めの作品です。

迷路館の殺人
迷路館の殺人
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2006年07月12日

人形館の殺人/綾辻 行人 ★★★

内容(「BOOK」データベースより)
亡父が残した京都の邸「人形館」に飛龍想一が移り住んだその時から、驚倒のドラマが開始した。邸には父の遺産というべき妖しい人形たちが陣取り、近所では通り魔殺人が続発する。やがて想一自身にも姿なき殺人者がしのび寄る。名探偵島田潔と謎の建築家中村青司との組合せが生む館シリーズ最大の戦慄。

京都に引っ越してきた、親の遺産で食ってる、生命力の
無さそうな線の細い画家の一人称形式で物語は進む。
最初から謎や死体が転がってる訳ではないので、
出だしは興味を引かないし、はっきり言ってつまらない。
今までの館シリーズとは趣を異にする作品。

肝心の「犯人」は途中で判ってしまった。
だって、ミエミエのミスディレクションなんだもん。
島田潔の登場の仕方は意外だったけどね。

過去の館シリーズの展開を期待して読むと裏切られる。

人形館の殺人
人形館の殺人
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2006年07月26日

緋色の囁き/綾辻 行人 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
「私は魔女なの」謎の言葉を残したまま一人の女生徒が寮の「開かずの間」で焼死した。その夜から次々と起こる級友たちの惨殺事件に名門女学園は恐怖と狂乱に包まれる。創立者の血をひく転校生冴子は心の奥底から湧き起こってくる“囁き”に自分が殺人鬼ではないかと恐怖におののく。

トリック重視の本格物である館シリーズと違い、囁きシリーズは
主人公の忘れ去られた記憶が重要なキーワードとなるサスペンス
タッチの作品です。

物語の舞台は全寮制の名門女子高。
ある意味一般社会からは隔絶された世界と言えます。
主人公の冴子が転校してきてから次々と殺人事件が発生する。

はたして、魔女とはなんの事か?
犯人はいったい誰なのか?
そして、冴子がなくしてしまった遠い記憶とは?

数々の謎と共に息詰まるサスペンスが展開されます。
人間の心理面に深く切り込んだ作品です。
館シリーズとは一味違った綾辻行人の世界が楽しめます。

講談社文庫版表紙の天野可淡の人形も、作品の雰囲気と
とても良く合っています。まるでこの人形のために作られた小説、
もしくは、この小説のために作られた人形みたいです。

緋色の囁き
緋色の囁き
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2006年07月27日

暗闇の囁き/綾辻 行人 ★★★

内容(「BOOK」データベースより)
黒髪を切られ変死した女性家庭教師。そして従兄とその母親も眼球と爪を奪われて死んだ。謎めいたほどに美しい兄弟のまわりに次々と起こる奇怪な死。遠い記憶の闇のなかから湧き上がってくる“囁き”が呼び醒ますものは何か。『緋色の囁き』に続く異色の長編推理“囁き”シリーズ第二弾、講談社文庫に登場。

森の中で出会った不思議な兄弟。
やがてその周りで起こる奇怪な事件。
そして重要なキーワードとして登場する「あっちゃん」とは?

前作「緋色の囁き」が学園を舞台とした「動」のイメージがあるのに
対し、この作品は「静」のイメージです。

少年たちの小さな世界に潜む狂気がテーマになっています。
その小さな世界が、気に入るか、気に入らないかで作品の評価
が異なると思います。

暗闇の囁き
暗闇の囁き

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2006年07月29日

黄昏の囁き/綾辻 行人 ★★★

内容(「BOOK」データベースより)
兄急死の報に帰郷した医学生翔二は、元予備校講師占部の協力で、“事故”の真相を追い始めた。「ね、遊んでよ」謎の“囁き”に異常に怯える兄の幼馴染みたち。やがて一人また一人と殺人鬼の魔の手が伸びるなか、彼の脳裏に幼き日の恐るべき記憶が甦る。異色の長編推理“囁き”シリーズ第三弾!待望の登場。

忘れ去られた過去の記憶というテーマで、
サスペンスタッチの雰囲気を楽しむ作品です。
でも、あまり読んだ後に印象に残りません。
犯人の設定や動機にも、現実性が感じられません。

囁きシリーズでは、小説の内容と同じ位、いや、もしかしたら
それ以上に、講談社文庫版の表示に使われてる天野可淡の
人形に強い印象を受けました。
まるで、この人形たちのために、小説を書いたみたいです。

その死後も多くの後継者たちに強い影響を与え、しかし、決して
後継者が追いつける事は出来ない、明確な一線を感じさせる
「KATAN DOLL」たち。この人形の表紙のためだけでも、本を
買う価値があると思います。

なんて事を書くと、綾辻ファンの人には怒られるのかな?

黄昏の囁き
黄昏の囁き
posted by まどか at 21:15| Comment(1) | TrackBack(0) | 綾辻 行人 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月23日

どんどん橋、落ちた/綾辻 行人 ★★★

内容(「BOOK」データベースより)
ミステリ作家・綾辻行人に持ち込まれる一筋縄では解けない難事件の数々。崩落した“どんどん橋”の向こう側で、殺しはいかにして行われたのか?表題作「どんどん橋、落ちた」や、明るく平和なはずのあの一家に不幸が訪れ、悲劇的な結末に言葉を失う「伊園家の崩壊」など、五つの超難問“犯人当て”作品集。

綾辻行人ファンのための短編集です。
広く一般の推理小説ファンを対象にはしていません。
作者自ら言っているように、人間性を廃したパズルみたいな小説です。
この手の小説を読み込んでる人には、作中にヒントがちりばめられてるので
作者のトリックに気が付くかも知れません。
もちろん、あたしも気が付きましたよ。
でも、それ以外の人が読んだら、「ふざけんなコノヤロー」と思うでしょうね。

確かに良く出来ていて、それなりに面白いんだけど、やってる事は
「楽屋落ち」に「パロディー」と、才能の枯渇し始めたギャグ漫画家みたいです。
本当にファンが望んでいるものとは違うような気もします。

どんどん橋、落ちた
どんどん橋、落ちた
posted by まどか at 22:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 綾辻 行人 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月17日

殺人方程式 〈切断された死体の問題〉/綾辻 行人 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
新興宗教団体の教主が殺された。儀式のために篭もっていた神殿から姿を消し、頭部と左腕を切断された死体となって発見されたのだ。厳重な監視の目をかいくぐり、いかにして不可能犯罪は行われたのか。二ヵ月前、前教主が遂げた奇怪な死との関連は?真っ向勝負で読者に挑戦する、本格ミステリの会心作。

ストーリーより先にトリックありきの作品ですね。
マンションや新興宗教団体の宮殿の構造など、いかにも不自然です。
公安がマンションを見張っていたなど偶然の要素も多すぎます。

でも、読み物としては、ちょっと変わったキャラクターの刑事を出したり、
意外な犯人だったりと、それなりに楽しめる内容には仕上がってます。

殺人方程式 〈切断された死体の問題〉
殺人方程式 〈切断された死体の問題〉
posted by まどか at 09:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 綾辻 行人 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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