2006年04月20日

ナイト・ダンサー/鳴海 章 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
M航ジャンボ機の貨物室から、アルミ合金をとかす特殊細菌があふれだし飛行困難に。その菌をめぐる国際陰謀の渦のなか、米海軍戦闘機はM航空機撃墜にむかい、航空自衛隊機が緊急発進。謎のジェット機ナイト・ダンサーをまじえ、息づまる空中戦が展開される。第三十七回江戸川乱歩賞受賞の航空サスペンス。

読み始めてすぐ疑問に思いました。
アルミ合金を溶かす特殊細菌、それを普通試験管のまま
飛行機の預け入れ荷物に入れるのか?
常識を疑います。
この作者、飛行機に詳しそうですが、実は国際線の
旅客機に乗った事無いんじゃないでしょうか。

だいたい、偶然の要素が多すぎます。
飛行機の貨物室のドアが完全に閉じられていたら、
細菌がもれて引き返す事も無かったはず。
そうしたら、ナイト・ダンサーはどうするつもりだったんでしょうか?

副操縦士の兄が北海道の自衛隊にいるのも偶然だし、
その恋人が問題の飛行機に乗ってるのも偶然。
都合良く9キロもの長さの滑走路があるものなのか?
たとえあったとしても、放置された滑走路に着陸できるのか?

それに、この作品が書かれた1991年に自衛隊にアパッチは
配備されてなかったはず。

ストーリーも後半ぐちゃぐちゃに入り乱れて判りにくい。
この小説、一体誰が主人公なんでしょうか?

とはいえ、この作品が妙な魅力を持っている事も事実です。
戦闘機同士のドッグファイトや、故障した旅客機を必死で操縦する
コックピットクルーなど、緊迫感あふれ思わず引き込まれます。

ナイト・ダンサー
ナイト・ダンサー
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2006年05月31日

荒鷲(イーグル)の狙撃手(スナイパー)〈上〉/鳴海 章 ★★★

内容(「BOOK」データベースより)
“ウルフ・パック”それは自衛隊を“日本軍”とするため、クーデターを計画する地下組織の名称である。その全貌を掴もうとする記者達は、一人の記憶を失くした男を見つけだした。彼は、かつて“ナイトダンサー”と呼ばれた工作員だった。対馬近海の新油田を巡り、日中の武力緊張が高まる中、革命は進行する。

江戸川乱歩賞受賞作「ナイト・ダンサー」の続編。
多すぎる登場人物、頻繁な場面転換、輻輳するストーリーと、乱歩賞の選考で指摘された欠点だけが目立つ。
トム・クランシーの作風に似ているとは言えるが。
肝心のストーリーの方は、さしたる山場もなく、主人公が過去の記憶を取り戻す所で下巻に続く。
「ナイト・ダンサー」にあった緊迫感が薄れてしまったのは残念。

荒鷲(イーグル)の狙撃手(スナイパー)〈上〉
荒鷲(イーグル)の狙撃手(スナイパー)〈上〉
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2006年06月01日

荒鷲(イーグル)の狙撃手(スナイパー)〈下〉/鳴海 章 ★★★

内容(「BOOK」データベースより)
対馬近海の小島「二宝島」における軍事的緊張は、ついに日中の戦車戦へと発展した。国内でも各地で、空港統制の混乱や銀行オンライン妨害によるパニックが発生。内外の緊張状態を利用し、権力集中を目論む、時の首相、矢神の乗る政府専用機に、かつて“ナイトダンサー”と呼ばれた男は機銃の照準を合わせた。

首相の乗った政府専用機を撃墜する必然性があるのか疑問に感じた。
パイロットや同行記者団も乗ってると思われるのに、一緒に命を奪う必要はあるのか。首相だけ暗殺すれば済むのではないか?

前作「ナイト・ダンサー」では、アメリカ大統領と堂々と渡り合った首相の夜神氏も、今回は完全な悪役として書かれている。それどころか、伝奇物のような、変な一族の頭領にまでされてしまっているのか可哀想。

軍事小説としても、小さな島で戦車の小競り合いがある程度で物足りない。
「ナイト・ダンサー」は面白かったのにね。

荒鷲の狙撃手(イーグル・スナイパー)〈下〉
荒鷲の狙撃手(イーグル・スナイパー)〈下〉

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2007年02月01日

ゼロと呼ばれた男/鳴海 章 ★★★

内容(「BOOK」データベースより)
「おまえは、ソ連機を撃ち落とせるか。」バーンズの挑発に“ゼロ”と呼ばれた男は静かに目をそらした。しかし、幻の撃墜マーク二個を持つその男、航空自衛隊一等空尉・那須野治朗は、次に自らがなすべきことを知っていた―沖縄近海での米軍秘密実験の裏に隠された国際的陰謀が、いま明らかになる。航空機小説の世界に新たな地平を開く、注目の“ゼロ・シリーズ”第一話。

航空自衛隊のパイロットがアメリカの軍事顧問団に紛れ込み
イスラエルに派遣される。
さらにそこで実戦に参加し敵機を撃墜する。
カンボジアやイラクにPKO派遣されるだけでもあれこれ言われる
自衛隊にとって、有り得ない話ではある。

しかし、「ナイト・ダンサー」で乱歩賞獲得以降、航空サスペンスという
新境地を切り開いてきた作者らしく、エンターテイメント作品として、
それなりに楽しめる作品に仕上がっている。
相変わらず、多数の登場人物、頻繁な場面転換、過去と現在が輻輳
する等、ストーリーが判りづらいという欠点もあるのだが。

ところで、主人公の「ジーク」こと那須野治朗は、イスラエルに派遣された
23歳の時点で二等空尉となってますが、この人出世早いですね。
防衛大学校出身者よりも出世早いです。超エリートだったのでしょうか。
でも、15年経った現在は一等空尉です。15年間で一階級しか昇格してません。
同じくバーンズ、ラインダースといった人たちも15年間で一階級しか昇格してません。
みんなエリートコースを外されてしまったのでしょうか。

ゼロと呼ばれた男
ゼロと呼ばれた男
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2007年02月02日

ネオ・ゼロ/鳴海 章 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
ホワイトハウス緊急対策室が決定した密命は核施設爆撃。蘇った新零戦(ネオ・ゼロ)のファイター・パイロットは。コンピュータがはじき出した適任者はジークこと那須野治朗。生と死、その狭間でしか自己を実現できないジーク・ザ・キラーは大空へ飛び立つ。“ゼロ・シリーズ”第二話。

ゼロ戦という戦闘機は、日本人にとって特別な思い入れがあるようです。
この作品では、「ネオ・ゼロ」として日本が独自に開発した戦闘機が登場します。

でも、ジェット戦闘機を作った経験の無い日本で、組みあがったばかりの
戦闘機を試験飛行もせず即実戦投入し、北朝鮮まで行って原子力発電施設
を爆撃して来るなんて、いかに日本の工作精度が優れているとは言っても、
無茶苦茶な話ではあります。

パイロットも、実際に「ネオ・ゼロ」を操縦するのは実戦投入時が初めてで、
それ以前はシュミレーターでしか操縦してなかった訳だしね。

物語としては、謀略渦巻く国際情勢や手に汗握る空中戦等、緊迫感のある
航空サスペンス小説として楽しめます。そして、この作品のもう一つの主役は、
現代によみがえった戦闘機「ネオ・ゼロ」と、国産戦闘機開発にかける男たち
の思いです。

闇雲に過去と現在を行ったり来たりしない分、第一作の「ゼロと呼ばれた男」
よりもストーリーは判りやすく、面白かったです。

ネオ・ゼロ
ネオ・ゼロ
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2007年04月22日

長官狙撃/鳴海 章 ★★★

内容(「BOOK」データベースより)
地下鉄を襲う毒ガステロ。そして警察庁長官狙撃事件!逮捕された教祖を奪還するため、カルト教団の武装組織“聖徒軍団”が猛烈なテロを仕掛ける!日本海では、巡視艇に追われた“軍団”が機雷を海中に投棄し、惨事を引き起こした。最終戦争を画策する“軍団”と公安警察の息詰まる攻防!想像を絶する最終兵器とは!?男たちの熱き闘いを描ききる傑作長編。

かつて小説の出来事を現実に行ったとして話題になった事件もありましたが、
今では現実に起こった事件を小説にする時代になってしまったようです。
この作品は某宗教団体が起こした事件をベースに書かれています。
タイトルは『長官狙撃』となってますが、長官狙撃が作品に占める割合は
あまり多くありません。
自衛隊の掃海艇の乗員や、公安警察、カルト教団のテロリストなど、多くの
登場人物が出て、ポイントがボケてしまっているような気がします。

それにしても、小説を読むより現実の出来事の方が面白いなんて、
楽しい時代ですね。

長官狙撃
長官狙撃
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2007年04月28日

撃つ/鳴海 章 ★★★

内容(「BOOK」データベースより)
自衛隊機が、日本領空に接近したロシア偵察機を誤って撃墜、ロシアと交戦状態に突入した。すでに日米安保条約を破棄、孤立していた日本に対し、ロシア軍は北陸地方に上陸。ロシア軍圧倒的優位のなか、たった一人残された自衛隊の狙撃兵・次頭武顕の熾烈な戦いが始まった!戦場でしか生きられぬ男の孤独な戦いを圧倒的な筆致で描く、会心の冒険アクション小説。

暗いよ。
「撃つ」と言うより「鬱」になりそう。
陽気に弾をばら撒く突撃兵と違って、物陰に潜んで
獲物を狙うスナイパーは根暗な人が多いんですね。
下手に主人公の内面描写なんかしないで、
もっと派手にロシア軍とドンパチして欲しかった。

撃つ
撃つ
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2007年06月01日

Dロック/鳴海 章 ★★★

内容(「BOOK」データベースより)
D‐loc!すべての計器が一瞬にして消えた!VIPばかり三百人を乗せた最新鋭機B747‐550に緊急トラブル発生。FADEC(全自動デジタル電子制御)2エンジンはコントロールを失い、一縷の望みはすべての計器をシャットダウンし、エンジンをリスタートさせる以外にない。しかし高度四万フィート、五百ノットのスピードで、果たしてそれが可能なのか?航空機サスペンスの第一人者が放つ、超緊迫アクション。

コンピュータ制御された最新鋭機。
そのコックピットで計器の表示がすべて消えた。
乗っているのはVIPばかり300人。
さあどうする、ってお話です。

この手の物語の定石通り、乗り合わせた人たちの人間模様を絡めつつ、
パイロットや乗務員、地上職員たちが必死で復旧を試みる。
でも、計器の表示が消えただけで、飛行機としては問題なく飛んで
いる訳で、いまいち盛り上がりに欠けた気がする。
爆弾が爆発する恐れがあるとか、コックピット内でパイロット同士が
反目しあうとか、乗客がハイジャックを試みるとか、もう少し盛り上がる
工夫をして欲しかった。

コンピュータに頼った飛行機の是非を問う、というテーマもあるのだろうが、
グラスコックピット化は時代の流れだと思います。

Dロック
Dロック
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2007年06月06日

国連航空軍「ユニコーン」出撃指令〈上〉/鳴海 章 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
ラオス上空を飛行中のボーイング767が、突如現れたミグ21に撃墜された。しかも戦闘機のコクピットには日本人パイロットが…。黄金の三角地帯の麻薬経済を背景に、小国家なみの武器を所有するテロ組織が出現したのだ。世界の警察を自認するアメリカは国連航空軍の創設を提案、日本に非武装のRF‐4E偵察機の派遣を求める。あえて民間機を撃墜した「組織」、国連の軍事化に固執する米国、さまざまな思惑がうごめく東南アジアの地に、空を愛した男たちの宿命が交錯する。

麻雀漫画が、何故か物事を全て麻雀で解決しようとするが如く、
航空小説では一人の人間を暗殺するのに、多くの乗員乗客を巻き込み、
航空機ごと撃墜するのがセオリーとなっているようである。
乗り合わせた人には迷惑な話ですね。
まあ、そんな事は置いといて、航空小説の第一人者が書く緊迫の
航空アクション小説です。

この作品の特徴は、詳細なメカニズムの描写です。
その描写は戦闘機だけに留まらず、日常の何気ない動作にまで
徹底されている。
例えば、留守番電話のメッセージを聞くにしても、
「メッセージの再生ボタンを押すと声が流れ出す」のでは無く、
「メッセージの再生ボタンを押した。テープが巻き戻され、ヘッドの
動く機械音に続いて、小さなスピーカーから声が流れ出す」
という具合である。

勿論、書かれているのはメカニズムだけでは無く、きちんと人間も
書かれている。
黄金の三角地帯を支配する麻薬組織が作った傭兵の航空部隊。
それを阻止しようとする、アメリカを中心とした国連航空軍。
敵味方を問わず、戦闘機乗りの人生、友情、戦いが描かれる。
まさに活字で読む「エリア88」の世界。
かつて「エリア88」でワクワクした人には、お勧めの作品です。

国連航空軍「ユニコーン」出撃指令〈上〉
国連航空軍「ユニコーン」出撃指令〈上〉
posted by まどか at 03:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 鳴海 章 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月11日

国連航空軍「ユニコーン」出撃指令〈下〉/鳴海 章 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
黄金の三角地帯に突如出現し、民間航空機を撃墜した小国家並の武力を保持するテロ組織に対抗すべく、米主導で編成された国連航空軍は、日本を始めとする各国協力の下、その陣容を整えつつあった。しかし日本人パイロットらが操る組織のミグ21に、国連軍は苦戦を強いられた…。アジアの蒼穹に交差するファイターたちの誇り。本格テクノ・サスペンス完結篇。

テロ組織の航空部隊がミャンマーのレーダー施設を爆撃、
それに引き続き、地上部隊と連動した国連航空軍基地への
攻撃と、ついに本格的な戦闘の幕が切って落とされます。

国連航空軍はアメリカがF‐16、タイがRF‐5E、イギリスが
シーハリアーFA‐2、そして日本の自衛隊がRF‐4Eと、
実に様々な機種で構成されています。
傭兵部隊がミグ21で統一されてるのに比べ、整備や補給が
大変そうです。

この作品のタイトルにもなっているユニコーンといえば、「エリア88」
の主人公、風間真のパーソナルマークでしたね。
大空を駆け巡る男たちの熱い戦いは、読んでいて引き込まれます。
まるで自分が戦闘機のコックピットに納まって、操縦桿を握っている
ような感じさえします。
エンターテイメントとして文句無く楽しめる作品です。

国連航空軍「ユニコーン」出撃指令〈下〉
国連航空軍「ユニコーン」出撃指令〈下〉
posted by まどか at 19:20| Comment(1) | TrackBack(0) | 鳴海 章 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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