2006年04月27日

99%の誘拐/岡嶋 二人 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
末期ガンに冒された男が、病床で綴った手記を遺して生涯を終えた。そこには八年前、息子をさらわれた時の記憶が書かれていた。そして十二年後、かつての事件に端を発する新たな誘拐が行われる。その犯行はコンピュータによって制御され、前代未聞の完全犯罪が幕を開ける。第十回吉川英治文学新人賞受賞作。

この作品は1988年に書かれた作品ですが、今読んでも全く古さを感じません。

日本の半導体産業黎明期、昭和40年代に起こった誘拐事件を回想する手記から物語りは始まります。ここでは息子の命のために、自分の会社の将来をかけた資金5千万円を誘拐犯に渡す父親の苦悩が描かれます。

それから20年後、昭和60年代に再び誘拐事件が発生します。二回目の誘拐事件では、当時普及し始めたパソコンを縦横に駆使した犯人と、捜査側とのやり取りがスピーディーに描かれます。

はたして、二つの事件のつながりとは?

ただ、二回目の誘拐では、こんなにうまく事が運ぶのかという疑問がありました。途中でトラブルがあった方が、物語りは盛り上がったのではないでしょうか。

ミステリーとしてのサプライズは少ないかもしれませんが、読みやすい文章で、テンポ良く最後まで一気に読めます。

99%の誘拐
99%の誘拐
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2006年04月30日

あした天気にしておくれ/岡嶋 二人 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
競馬界を舞台にしたミステリーの最高傑作。北海道で3億2千万円のサラブレッド「セシア」が盗まれた。脅迫状が届き、「我々はセシアを誘拐した」で始まる文面は、身代金として2億円を要求してきていた。衆人環視のなかで、思いもかけぬ見事な方法で大金が奪われる。鮮やかなトリックが冴える長編会心作。

第27回 江戸川乱歩賞最終候補作。
メインのトリックが過去の作品と重複してるとケチがつかなければ実質的な受賞作だったと思う。

冒頭の書き方が見事。
思わず一ページ目から物語に引き込まれる。
ただ、肝心のトリックについては、途中で判ってしまったが。

あした天気にしておくれ
あした天気にしておくれ
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2006年06月02日

焦茶色のパステル/岡嶋 二人 ★★★★

出版社/著者からの内容紹介
東北の牧場で、牧場長と競馬評論家・大友隆一が殺され、サラブレッドの母子、モンパレットとパステルも撃たれた。競馬の知識のない隆一の妻・香苗を怪事件が次々に襲う。一連の事件の裏には、競馬界を揺るがす恐るべき秘密が隠されていた。注目の共作作家の傑作競馬ミステリー。第28回江戸川乱歩賞受賞作品。

読みやすい文章と巧みな構成の作品。
伏線の張り方や最後のどんでん返しなど手堅くまとまっている。
探偵役の女性二人のキャラもうまく立っていてる。

ただ、この作品の鍵となっているサラブレッドの系統については、競馬に興味のない人には、作者の説明に、そういうものかと納得するしかない。
判りやすさという点では、前年の乱歩賞候補作「あした天気にしておくれ」の方が判りやすかった。

焦茶色のパステル
焦茶色のパステル
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2006年07月13日

クリスマス・イヴ/岡嶋 二人 ★★★

内容(「BOOK」データベースより)
山深い別荘でのクリスマス・パーティに向かった敦子と喬二。夜になって到着したその別荘はまっ暗で、荒らされた室内には友人の血まみれの死体が…。雪に閉ざされ孤立した別荘地でイヴの夜に起こった恐ろしき惨劇。凶悪で強靱な殺人鬼から果たして逃れることはできるのか!?恐怖と緊迫の傑作長篇サスペンス。

ホラータッチの作品だが、「バトル・ロワイアル」など、残酷な描写が
氾濫する現在では、それほど刺激的な描写とは感じられない。
次々と殺人を犯して行く犯人の名前や住居は判明している。
名前も何も判らない、謎の男という設定の方が恐怖感は盛り
上がったのではないか。

岡嶋作品という事で、何か裏があるのかと思って深読みしていたが、
結局殺人鬼との戦いに終始した。
過去の岡嶋作品にある「毒」というか、「こずるさ」は無く、至って
シンプルなストーリー展開、軽い読み物として楽しめる。
まるで赤川次郎の作品のようだった。

クリスマス・イヴ
クリスマス・イヴ
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2007年02月19日

チョコレートゲーム/岡嶋 二人 ★★★

内容(「BOOK」データベースより)
学校という名の荒野をゆく、怖るべき中学生群像。名門秋川学園大付属中学3年A組の生徒が次々に惨殺された。連続殺人の原因として、百万単位の金がからんだチョコレートゲームが浮かび上がる。息子を失った一人の父親の孤独な闘いをたどる、愛と死のショッキング・サスペンス。日本推理作家協会賞受賞作。

中学生の間で密かにはやっている「チョコレートゲーム」とは?
事件の重要な鍵となる「チョコレートゲーム」だが、意外性がまったく無い。
この作者なら「アレ」しかないよね。
容易に想像が付いてしまうのは少々しらける。
内容は中学生日記風、読みやすい文章で、破綻の無い展開、
手堅くまとまっていて、さらっと読めるが、もう少し意外性が欲しかった。

チョコレートゲーム
チョコレートゲーム
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2007年06月13日

殺人!ザ・東京ドーム/岡嶋 二人 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
密かに日本に持ち込まれた南米産の猛毒クラーレ。巨人対阪神戦に沸く東京ドームで、この毒を塗った矢による殺人事件が発生した。大観衆五万六〇〇〇人の面前にもかかわらず、犯行現場の目撃者は皆無。さらに、翌日の同一カードでも凶行は繰り返され、スタジアムはパニックに陥った。傑作長編サスペンス。

東京ドームに観客が5万6000人もいるのに、犯人の目撃者は
いないという大観衆に隠れた犯罪と、連日誰かが一人づつ
殺されているのに、自分だけは大丈夫だと思い、東京ドームに
つめかける観客の心理が面白い。

キモヲタ風で妄想気味、ちょっと頭が弱いという犯人の造形も
良く練られている。その犯人以上に作品を盛り上げているのが、
途中から事件に便乗しようとする人たちであり、スリリングな
展開を見せる。
相変わらず、上手いというか、巧みな構成である。

ただ、途中までの展開が面白かった分、結末はあっさり終わって
しまった印象がある。もう一捻りくらい欲しかった。

殺人!ザ・東京ドーム
殺人!ザ・東京ドーム
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2007年06月16日

珊瑚色ラプソディ/岡嶋 二人 ★★

内容(「BOOK」データベースより)
里見は結婚式を控え、赴任先のシドニーから帰国した。だが空港に婚約者・彩子の姿はなかった。女友だちと沖縄旅行中に倒れ石富島で入院しているというのだ。急きょ、島に飛んだ里見は恋人との再会を喜ぶが…。彩子は二日間の記憶を失い女友だちは失踪していた。空白の48時間に何が起きたのか。南国の海に愛する女の真実を追って男の追跡がはじまる…。愛の長編サスペンス。

うーん、悪いけど、つまらないのだ。
他の岡島作品に見られる、常に読者の一歩先を行く意外性とか、
ページをめくるワクワク感といった物が、この作品には無い。
主人公は淡々とプロットをトレースしているだけのように感じた。
タイトルにはラプソディとついているが、ラプソディ(狂想曲)
と言う程、明るくも、ノリが良くも無い。

この作品には社会派推理小説としての側面もあるが、事件の真相が
明らかになっても、月並みと言うか、ありきたりと言うか、この手の
話の定番パターンであると感じてしまった。

もうだいぶ前に読んだので細かい内容は忘れちゃったけど、
西村京太郎氏が初期に書いていた離島物で「幻奇島 」とか
「鬼女面殺人事件」とかの方が面白かったような気がする。

珊瑚色ラプソディ
珊瑚色ラプソディ
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2008年01月05日

岡嶋二人盛衰記/井上 夢人 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
二人が出会って多くの傑作ミステリーが生まれた。そして十八年後、二人は別れた―。大人気作家・岡嶋二人がどのようにして誕生し、二十八冊の本を世に出していったのか。エピソードもふんだんに盛り込んで、徳さんと著者の喜びから苦悩までを丹念に描いた、渾身の自伝的エッセイ。

日本では数少ない二人の合作による推理作家『岡嶋二人』の誕生
から消滅までを綴ったエッセイ。
作者はコンビの片割れであった井上夢人氏。

合作というシステムを、徳山氏と井上氏の二人は作品の量産化
ではなく、質的向上という面で生かしていたのだと思う。
だからこそ岡嶋作品が今もなを根強い人気を持っているのだろう。

しかし、それゆえに二人の間の葛藤は激しかったのではないか。
その辺の事情を、作者の井上氏は赤裸々に、包み隠さず語っている。
これを読むと、井上氏も大変だったんだろうけど、徳さんも大変だった
んだろうなー、と思わずにはいられない。
残念ながら、徳山氏から見た文章は掲載されていないが。

個人的には、さらっと読める井上氏の文章のうまさだけでなく、
徳山諄一という『毒』があってこその岡嶋作品だと思う。

岡嶋二人のファンにはお勧めの一冊。
ただ、作品のネタバレがあるので、この本を読むのなら他の岡嶋
作品を読んでからにした方が良いだろう。

おかしな二人―岡嶋二人盛衰記 (講談社文庫)
おかしな二人―岡嶋二人盛衰記 (講談社文庫)

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2008年01月14日

クラインの壷/岡嶋 二人 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
ゲームブックの原作募集に応募したことがきっかけでヴァーチャルリアリティ・システム『クライン2』の制作に関わることになった青年、上杉。アルバイト雑誌を見てやって来た少女、高石梨紗とともに、謎につつまれた研究所でゲーマーとなって仮想現実の世界へ入り込むことになった。ところが、二人がゲームだと信じていたそのシステムの実態は…。現実が歪み虚構が交錯する恐怖。

岡嶋二人の最後の作品であり、井上夢人の実質的なデビュー作である。
読み始めて最初の内は、作者だけがヴァーチャルリアリティ・システム
『クライン2』を楽しんで書いていて、その楽しさが読み手まで伝わって
来ないような印象を受けた。

主人公が『クライン2』の目的に疑問を抱き始め、謎を追っていく中盤
以降はスピード感ありテンポよく一気に読める。
特に研究所に潜り込むあたりのシーンはスリルがあり、物語に引き
込まれる。読みやすい文章であり、作者である井上氏の力量だろう。

だが、最後の落ちが物足りない。
まだ何かあるんじゃないかとページをめくったら、
そこは新井素子さんの変な解説だった。

良くも悪くも、井上夢人の世界観を反映した作品である。
ただ、井上氏が我がまま?を言ってボツにしたという徳山バージョンも
読んでみたい気がする。
井上先生、書いてくれないかな。

クラインの壷 (新潮文庫)
クラインの壷 (新潮文庫)

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2008年05月01日

タイトルマッチ/岡嶋 二人 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
元世界ジュニア・ウェルター級のチャンピオン最上永吉の息子が誘拐された。彼を破ったジャクソンに義弟が挑むタイトルマッチ二日前の事だった。犯人の要求は、“相手をノックアウトで倒せ。さもなくば子供の命はない”。犯人の狙いは何か。意想外の脅迫に翻弄される捜査陣。ラストまで一気のノンストップ長編推理。

ボクシングの世界を舞台にした誘拐物。
作者の一人である徳山氏がボクシングを志していたと言うだけあって、
この作品にはボクシング界の裏話が赤裸々に書かれている。
だが、読み始めて最初の内は、ボクシング界の内情の書き方が、
今一つこなれていないと言う印象を受けた。
それに、今時、世界戦のマッチメイクや、世界ランカーの作り方など、
ボクシングファンにとっては「常識」なのではないだろうか。

前作の『焦茶色のパステル』や『あした天気にしておくれ』と比べると、
若干荒さが目立つ。
しかし、犯人からの意外な要求や、後半のタイトルマッチ当日の緊迫感、
試合の臨場感ある描写などは見事であり、物語に引き込まれる。

タイトルマッチ (講談社文庫)
タイトルマッチ (講談社文庫)

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posted by まどか at 19:21| ☔| Comment(3) | TrackBack(1) | 岡嶋 二人 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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