2010年01月02日

死亡推定時刻/朔立木 ★★★★

警察が無実の青年を無理やり犯人に仕立てた、というより、
作者が、何が何でも冤罪事件を書きたかったのではないかと
感じてしまった。警察での自供の取り方など、漫才かギャグ
漫画を見ているようだった。現実でもこのような事が行われて
いるとしたら怖い。

この事件の捜査は少し杜撰すぎる気がする。検視の前に、死
体を父親の車に乗せ、抱いて運ばせるなんて考えられない。
そんな事をしたら体温が変わって死亡推定時刻も変わってしま
う。死体発見現場で直腸体温を測るのが常識ではないだろうか。
ケイ・スカーペッタ(検屍官シリーズ/パトリシア コーンウェル )
が聞いたら激怒しそうである。

裁判の判決も、被害者が一名で死刑になるのだろうか。まあ、
営利誘拐という卑劣な犯罪で、この青年は累犯の上、反省の
態度も無いように裁判官から見られていたので、あり得なくは
無いが。

この作品は、ミステリーというよりリーガル・サスペンスと言った
方が良いのだろう。警察や検察、裁判官と弁護士などのやり取
りが中心となる。作者は現役の法律家という事でリアリティーが
ある。しかし、真犯人の視点がないなど、物足りない点もあった。

ラストも、これで終わってしまうのか、という気がした。この先も、
もう少し続きを読みたいと感じた。

死亡推定時刻 (光文社文庫)
死亡推定時刻 (光文社文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
山梨県で地元の有力者の一人娘が誘拐される事件が起こった。警察の指示に従った結果、身代金の受け渡しは失敗。少女は死体となって発見された!県警は、遺留品に付いていた指紋から、無実の青年を逮捕。執拗な揺さぶりで自白に追い込んでしまう。有罪は確定してしまうのか?そして真犯人は?現役の法律家が描く、スリリングな冤罪ドラマの傑作。

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posted by まどか at 23:58| ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | ミステリー(和書) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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『死亡推定時刻』
Excerpt: 朔立木 『死亡推定時刻』(光文社文庫)、読了。 非常に迫力のある作品で面白かったです。 真犯人は早々に、簡単に推測できるので、謎解...
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Tracked: 2010-01-07 14:09
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