2008年11月04日

時の渚/笹本 稜平 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
元刑事で、今はしがない私立探偵である茜沢圭は、末期癌に冒された老人から、35年前に生き別れになった息子を捜し出すよう依頼される。茜沢は息子の消息を辿る中で、自分の家族を奪った轢き逃げ事件との関連を見出す…。「家族の絆」とは何か、を問う第18回サントリーミステリー大賞&読者賞ダブル受賞作品。

日本では数少ない、本格的な冒険小説の書き手である笹本稜平氏
のデビュー作である。しかし、読み始めてほんの数10ページで、先の
展開がなんとなく読めてしまう。

後はどんな味付けで楽しませてくれるか、なのだが、それにしても、
元刑事で、過去に傷を持つ私立探偵が人探しをするという、手垢に
まみれたパターンである。どうなることやらと思って読み進めたが、
終盤ではそれなりの感動が待っていた。

ただ、あまりにも都合の良い設定というか、偶然の要素が多すぎる
のが気になった。

臆面も無くこのような話が書ける所が、後に『天空への回廊』や
『太平洋の薔薇』といった優れたエンターテイメント大作をものに
する下地になったのかも知れない。

時の渚 (文春文庫)
時の渚 (文春文庫)

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2008年11月06日

査察機長/内田 幹樹 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
ミスひとつで資格が剥奪される。エアライン・パイロットが恐れる査察飛行、その長き一日が始まった。ボーイング747‐400を操り、成田からニューヨーク・JFK航空を目指す村井知洋機長。彼の隣席で眼を光らせているのは、カミソリのように鋭い査察機長・氏原政信だ。予期せぬトラブル、そして悪天候との闘い―。スーパーマンでありサラリーマンでもある、機長。その誇りとはいったい何か。操縦席の真実に初めて迫る、緊迫の長編小説。

国際線の飛行機の中でこの本を読みました。
成田からニューヨークに向かうフライトで、新米機長の村井が
査察機長の氏原から技量のチェックを受けます。
チェックに落ちると機長の資格が剥奪されてしまう為、必死に
なってる新米機長の奮闘ぶりが面白かったです。

ただ、筋書きはなんとなく読めてしまいました。
だって、この新米機長さん、最初から飛行機をカッコ良く飛ばす
事ばっかり考えてるんだもん。お客様の立場になってみれば、
もっと乗客の事も考えて操縦して欲しいと思いました。

ハイジャックや事故という派手な展開がある訳ではありませんが、
空の安全とか、職業倫理を考えさせられる良い作品だと思います。

飛行機の中で読むと臨場感満点で楽しい時間がすごせます。
出来れば北米線が良いですね。
もちろん、家の中で読んでも面白いです。

査察機長 (新潮文庫 う 15-6)
査察機長 (新潮文庫 う 15-6)

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2008年11月12日

スピカ―原発占拠/高嶋 哲夫 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
日本海沿岸に建設されたばかりの世界最大の原発が、謎のテロ集団に占拠された。自衛隊は殲滅され、放射性ガス放出の時が迫る―苦悩する日本政府。テロリストの真の目的はなにか?地球規模の災厄を眼前に科学者同士の対決がクライマックスを迎える!元・原研研究員の大型新人作家として『イントゥルーダー』でサントリーミステリー大賞・読者賞を獲得した著者の渾身の受賞第1作、待望の文庫化。

日本海沿岸の原子力発電所が謎のテロ集団に占拠される。
著者は元原子力研究所の研究員というだけあって、原発内部
の描写は詳細であり、リアリティーに富んでいる。

原発を占拠したテロ集団により、機動隊は殲滅され、政府は
安全保障会議を開き対応を検討する。危機管理小説としての
側面もあり、エンターテイメント作品として充分楽しめる内容と
なっている。また、原子力発電の問題点や将来についても、
考えさせられるものがある。

ただ、難を言えばテロリスト達の考えが今一つ伝わって来ない。
登場人物が多すぎるという事もあるのだが、彼らが何を考え、
何をしたかったのかが判りづらかった。

特に影の黒幕といわれている人物や、サリウスという博士に
ついては、原発を占拠した目的が最後まで良く判らなかった。

スピカ―原発占拠
スピカ―原発占拠

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2008年11月13日

紐育、宜候(ニューヨーク、ようそろ)―SF 太平洋戦争/光瀬 龍 ★★

内容(「BOOK」データベースより)
昭和17年6月、ミッドウェイ島で小さな地震が感知された―ミッドウェイ海戦で大勝利を収めた日本軍は、破竹の勢いで世界各地へ進攻し、アラスカ、ハワイなどを占領。同盟国ドイツも、欧州、アフリカ全域を制圧していた。アメリカ合衆国は海軍の空母の9割を失い、戦略を大幅に変更した。それは、劣勢を一挙に挽回する革命的な原爆計画だった。一方、昭和20年8月5日、ハワイを飛び立った日本の超重爆撃機“富岳”は原爆を搭載し米本土へ出撃した!歪められた歴史の修正をめざす時間局員の闘いが始まった。太平洋戦争をめぐる迫真の歴史SF。

光瀬龍氏といえば、日本SF界の黎明期を支えた大立者の
一人である。ジュブナイル作家としても多くの作品を残しており、
『夕ばえ作戦』など、大変面白く、夢中で読んだ記憶がある。

だけど、残念ながらこの作品には褒めるべき点が見当たらない。
内容からすると一見架空戦記のようにも思えるが、架空戦記の
読みどころの一つである血湧き肉踊る戦闘場面はほとんど出て
こない。日本軍がアメリカを制圧する事になっているが、その
経過や戦闘シーンは無く、状況説明のみである。
作者の個人研究ではないかと思われるような箇所もある。

タイトルにもあるとおり、この作品はSFなのであろう。
しかし、肝心のタイムパトロールが登場するのは作品の後半を
過ぎてからである。タイムマシンについても、設定がかなりいい
加減である。何故日本だけでなく、イギリスやペルーでも現象が
発生したかの説明もあいまいである。

全てが中途半端で、チグハグな印象なのである。
ただ、最後には、判る人には判る、ちょっとした仕掛けがあって
ニヤリとさせてくれる。

紐育、宜候(ニューヨーク、ようそろ)―SF 太平洋戦争 (角川文庫)
紐育、宜候(ニューヨーク、ようそろ)―SF 太平洋戦争 (角川文庫)

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2008年11月26日

ミッドナイトイーグル/高嶋 哲夫 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
米空軍のステルス爆撃機が北アルプスに墜落!その搭載物をめぐって男たちの死闘が始まった。報道カメラマン西崎勇次もその渦中に…。かたや週刊誌記者の松永慶子は、横田基地に侵入・逃走した北朝鮮の工作員に接触する。吹雪の北アルプスと東京。二つの場所で、男と女は絆を取り戻せるのか。渾身の国際謀略サスペンス。

北アルプスと東京で、別居中の夫婦がそれぞれ事件を追う。
やがて二つの線が交わる時、そこに見るものは。
壮大な国際謀略に、夫婦の絆を絡めた娯楽作品である。
しかし、展開が遅いのと、場面が交互に変わるので、
読んでいて少しイラつく。

ラストはあっさりしすぎている。もっと二転三転して欲しかった。
ハリウット映画的なハッピーエンドでは無く、こういうラストもあり
かも知れないが、それならそれで、もっと盛り上げて欲しい。
娯楽作品なら、くさいと言われようが、それなりの演出をするべき
ではないだろうか。

同じような雪山を舞台にした娯楽作『天空への回廊/笹本 稜平』
と比べると、けれん味が足りないと感じた。

ミッドナイトイーグル (文春文庫)
ミッドナイトイーグル (文春文庫)

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2008年11月27日

RIKO―女神(ヴィーナス)の永遠/柴田 よしき ★★★

内容(「BOOK」データベースより)
男性優位主義の色濃く残る巨大な警察組織。その中で、女であることを主張し放埓に生きる女性刑事・村上緑子。彼女のチームは新宿のビデオ店から一本の裏ビデオを押収した。そこに映されていたのは残虐な輪姦シーン。それも、男が男の肉体をむさぼり、犯す。やがて、殺されていくビデオの被害者たち。緑子は事件を追い、戦いつづける、たった一つの真実、女の永遠を求めて―。性愛小説や恋愛小説としても絶賛を浴びた衝撃の新警察小説。第十五回横溝正史賞受賞作。

娼婦になるはずの女が、間違って刑事になってしまった。
淫乱刑事。男も女も見境なし。
確かに今までに無いキャラクターではある。

だけど、その奔放な考え方や行動には、女性から見ても
違和感がある。
やっぱりこの人、職業を間違えちゃったんじゃないの?

意味も無く行間を空けたり、登場人物が一ページ以上にも
わたって台詞を吐いたりするのも、勘弁して欲しい。
犯人は半分くらい読んだ所で想像が付いてしまった。
なんとなく、スケバン刑事の麻宮サキと海槌麗巳の関係を
思い出した。

うーん、なんとも言えない作品ですね。

RIKO―女神(ヴィーナス)の永遠 (角川文庫)
RIKO―女神(ヴィーナス)の永遠 (角川文庫)

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2008年11月30日

こんばんは

今月レビューを書いた作品は6作でした。
相変わらず、本を読むスピードにレビューが
追いつきません。
来月はもっとレビューを書けるように
頑張ります。

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posted by まどか at 02:35| ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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