2008年03月04日

朽ちた樹々の枝の下で/真保 裕一 ★★★

内容(「BOOK」データベースより)
妻を事故で失い札幌を離れ森林作業員となった男が、自衛隊演習場と隣接する夜明け前の森で救出した女性は、謎を残し病院から逃亡する。女性を捜し真実を突き止めることに己れの再起をかけ調査を始めた直後、落とし穴などの罠が仲間を襲う…。北海道を舞台に独り闘う男の葛藤と勇姿を描くサスペンス大作。

いかにも真保裕一らしい作品である。
森で偶然出会っただけの女性を、ストーカーの如く追い求める
ストーリーの強引さに読者が違和感を持とうが、ラストで真相
がウヤムヤのまま終わり、欲求不満に陥ろうが、そんな事は
大した問題では無いのである。

真保先生にとって重要なのは、無知な読者に自分の調べてきた
専門知識を披露する事と、大好きなキャラクターである、過去に
傷を持ちウジウジ思い悩む男を、思う存分書き込む事である。
それが叶えられれば、もうそれで満足なのであろう。

なんて事を想像して読むと、この作品も少しは面白くなるのかも
知れない。

朽ちた樹々の枝の下で (講談社文庫)
朽ちた樹々の枝の下で (講談社文庫)

にほんブログ村 本ブログへ
posted by まどか at 04:00| ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 真保 裕一 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月17日

氷壁/井上 靖 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
奥穂高の難所に挑んだ小坂乙彦は、切れる筈のないザイルが切れて墜死する。小坂と同行し、遭難の真因をつきとめようとする魚津恭太は、自殺説も含め数々の臆測と戦いながら、小坂の恋人であった美貌の人妻八代美那子への思慕を胸に、死の単独行を開始する…。完璧な構成のもとに雄大な自然と都会の雑踏を照応させつつ、恋愛と男同士の友情をドラマチックに展開させた長編小説。

とても綺麗な文章です。
物語は昭和30年の日本が舞台です。
主人公の魚津や、彼を取り巻く人たちの、それぞれの思いが
活き活きと書かれています。
この作品に書かれている当時の人たちの描写を見ると、妙に
大人ぶっていたり、また逆に子供じみていたりと、どこか遠い
外国を舞台にしているようにも思えます。

切れないはずのナイロン製ザイルが、登山の途中で切れた。
企業の品質問題など、今日に通じるテーマでもあります。
ただ、ミステリーファンの立場で見ると、ザイルの切断面は
滑落した小阪側と、魚津側の二つがあったのに、何故最初から
魚津側のザイルの切断面を調べなかったのかと言う疑問が
残りました。

また、物語の重要な謎になっている、何故ザイルが切れたか
という問題が、うやむやのうちに終わってしまったのと、読後の
後味が少し悪いのが気になりました。

氷壁 (新潮文庫)
氷壁 (新潮文庫)

にほんブログ村 本ブログへ
posted by まどか at 05:32| ☔| Comment(4) | TrackBack(0) | ミステリー(和書) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月24日

鳴風荘事件 殺人方程式II /綾辻 行人 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
奇天烈な洋館に集まった人々は目を疑った。六年前に殺された女流作家そっくりに、その妹が変貌していたのだ。そして姉の事件と同じ月蝕の晩、惨劇が彼女を襲う。“不思議な力”を持っているという黒髪を切られる手口も酷似して―。必要な手掛かりをすべて提示して「読者へ挑戦」する新本格ミステリの白眉。

いかにも怪しげな人たちが洋館に集まり、殺人事件が起きる。
館ものの定番パターンです。殺人方程式の第二作。
前作と比べると、仕掛け自体はそれほど凝ったものではないし、
わざとらしい設定も少なくなっています。
その分純粋に推理が楽しめます。
ただ、事件の重要な前提となっている部分に関しては、少し
疑問が残りました。
「読者へ挑戦」に応えるも良し、軽い読み物として、さらっと
読むのも良しだと思います。

鳴風荘事件 殺人方程式II (講談社文庫)
鳴風荘事件 殺人方程式II (講談社文庫)

にほんブログ村 本ブログへ
posted by まどか at 02:49| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 綾辻 行人 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。