2007年04月22日

長官狙撃/鳴海 章 ★★★

内容(「BOOK」データベースより)
地下鉄を襲う毒ガステロ。そして警察庁長官狙撃事件!逮捕された教祖を奪還するため、カルト教団の武装組織“聖徒軍団”が猛烈なテロを仕掛ける!日本海では、巡視艇に追われた“軍団”が機雷を海中に投棄し、惨事を引き起こした。最終戦争を画策する“軍団”と公安警察の息詰まる攻防!想像を絶する最終兵器とは!?男たちの熱き闘いを描ききる傑作長編。

かつて小説の出来事を現実に行ったとして話題になった事件もありましたが、
今では現実に起こった事件を小説にする時代になってしまったようです。
この作品は某宗教団体が起こした事件をベースに書かれています。
タイトルは『長官狙撃』となってますが、長官狙撃が作品に占める割合は
あまり多くありません。
自衛隊の掃海艇の乗員や、公安警察、カルト教団のテロリストなど、多くの
登場人物が出て、ポイントがボケてしまっているような気がします。

それにしても、小説を読むより現実の出来事の方が面白いなんて、
楽しい時代ですね。

長官狙撃
長官狙撃
posted by まどか at 07:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 鳴海 章 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月23日

灰 夜/大沢 在昌 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
目覚めたとき、鮫島は闇に包まれた檻の中にいた―自殺した同僚・宮本の七回忌に彼の故郷を訪れた鮫島。宮本の旧友と会った直後、周囲で何かが動き出す。麻薬取締官、県警の刑事、地元の暴力団。その深夜、鮫島は拉致された―底知れぬ力の影が交錯する中、見知らぬ街で孤立無援の闘いが始まった!男の誇りと友情をかけた熱い怒りが弾けるシリーズ第7弾。

目が覚めたら檻の中にいた。
ぎゃはは、間抜けだね、鮫島クン。
新宿をねぐらにしている鮫島が、地方で事件に巻き込まれる。
今までの新宿鮫シリーズとはちょっと変わった展開。
作者のマンネリ対策でしょうか。

事件の内容は、暴力団、麻薬取締官、不良警察官、公安、
さらには北朝鮮まで出てきて、少し判りづらかったです。
地元のやくざが方言で話すのが妙に可笑しい。
ルビがふってあったから意味が判ったけど、実際に聞いたら
何言ってるのか良く判らないでしょうね。

前作で浮気をして以来、今回も鮫島の恋人「晶」は
ほとんど出てきません。
ただ、晶を外した事で、物語に幅が出たのは事実だと思います。
やっぱり、ハードボイルドの主人公が、一人の女にしばられてちゃ
いけないよね。

それにしても、宮本って人は迷惑な人ですよね。
死んでからも鮫島に迷惑をかけるなんて。

良いシリーズ物は、読み進めて行く内に、登場人物がまるで
長年の友人のように身近な存在として感じられていきます。
そこがシリーズ物の面白い所ですね。

灰 夜
灰 夜
posted by まどか at 02:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 大沢在昌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月24日

リカ/五十嵐 貴久 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
妻子を愛する42歳の平凡な会社員、本間は、出来心で始めた「出会い系」で「リカ」と名乗る女性と知り合う。しかし彼女は、恐るべき“怪物”だった。長い黒髪を振り乱し、常軌を逸した手段でストーキングをするリカ。その狂気に追いつめられた本間は、意を決し怪物と対決する。単行本未発表の衝撃のエピローグがついた完全版。第2回ホラーサスペンス大賞受賞。

導入部がかったるい。
出会い系の説明が延々と続くので、途中で読むのをやめようかと思っちゃったよ。
エンタメ作品なら冒頭で読者の興味を引くような工夫をするべきだよね。
でもまあ、こうしてあたしのレビューが読めるんだから、キミたちは幸せだよね。

それにしても、この主人公は危機管理意識が低いですね。
会社のパソコンから出会い系サイトにアクセスするなんて、バカですね。
そもそも、まともな会社ならフィルタリングしてるよね。
きっと三流会社なんですね。

物語の後半で超人的になったリカには、何か作り物めいた印象を受けてしまった。
異様な外見や超人的能力など怪物としての怖さより、変な考えに取り憑かれた
人間としての怖さを追求して欲しかった。
文庫版で加筆されたエピローグは無くても良かったと思う。

異常な精神力、極度にねじ曲がった自尊心、思い込み、妄執、
理由はわからないが膨れ上がったプライド、
こんな人が実際にいたら怖いよね。

リカ
リカ
posted by まどか at 01:33| Comment(3) | TrackBack(0) | 五十嵐 貴久 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月25日

血と骨〈上〉/梁 石日 ★★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
一九三〇年頃、大阪の蒲鉾工場で働く金俊平は、その巨漢と凶暴さで極道からも恐れられていた。女郎の八重を身請けした金俊平は彼女に逃げられ、自棄になり、職場もかわる。さらに飲み屋を営む子連れの英姫を凌辱し、強引に結婚し…。実在の父親をモデルにしたひとりの業深き男の激烈な死闘と数奇な運命を描く衝激のベストセラー。山本周五郎賞受賞作。

こんな人が家族にいたら絶対に嫌だよね。
近所にいるだけでも嫌だ。
でも、その生き方には何故か引き付けられるものがある。
そんな主人公、金俊平の一生を書いた作品。

作者の実父がモデルとされているだけあって、
小説として誇張されている部分もあるのだろうが、
その存在感、リアリティーには圧倒される。

物語は1930年頃の大阪から始まる。
力で自分の好きなように生きる金俊平。
何故か無理やり妻にされてしまった英姫。
金俊平に振り回される親友の高信義。

金俊平の野放図な生き様と共に、貧しいながらも、
互いに助け合いながら生きる在日朝鮮人の生活が書かれる。
その助け合いの精神は殺伐とした現代では考えられません。

小説の技術としては、視点が定まっていない部分があります。
だけど、そんな欠点も気にならない位、この作品には読む者を圧倒する
骨太の骨と、熱い血が流れています。
凄い作品です。

血と骨〈上〉
血と骨〈上〉
posted by まどか at 03:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 梁 石日 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月27日

血と骨〈下〉/梁 石日 ★★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
敗戦後の混乱の中、食俊平は自らの蒲鉾工場を立ち上げ、大成功した。妾も作るが、半年間の闘病生活を強いられ、工場を閉鎖し、高利貸しに転身する。金俊平は容赦ない取り立てでさらに大金を得るが、それは絶頂にして、奈落への疾走の始まりだった…。身体性と神話性の復活を告げ、全選考委員の圧倒的な支持を得た山本周五郎賞受賞作。

妻の英姫に資金を用意させ、蒲鉾工場を立ち上げる金俊平。
それにしても英姫は生活力がありますね。
金俊平なんかと関わらなければ一財産築けたのではないでしょうか。

自分の子供たちにも昼夜を問わず働かせるが、工場で得た金は
家族の為には一切使わない。
相変わらず、自分の好きなように生きる男です。

その奔放な生き方が鮮やかだった分、晩年の境遇はいっそう哀れに感じる。
最後の愛人である定子やその子供たちは酷い人間だと思ったが、
定子だけの問題では無く、妻の英姫や子供たち、定子の前の愛人である
清子にしてきた事の報いではないだろうか。

自分の長男である成漢に「チャネ(あんた)、チャネ(あんた)」と呼びかける金俊平。
そして人生最後にして最悪のバッド・チョイス。
人間の業を感じさせます。

血と骨〈下〉
血と骨〈下〉
posted by まどか at 02:46| Comment(0) | TrackBack(1) | 梁 石日 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月28日

撃つ/鳴海 章 ★★★

内容(「BOOK」データベースより)
自衛隊機が、日本領空に接近したロシア偵察機を誤って撃墜、ロシアと交戦状態に突入した。すでに日米安保条約を破棄、孤立していた日本に対し、ロシア軍は北陸地方に上陸。ロシア軍圧倒的優位のなか、たった一人残された自衛隊の狙撃兵・次頭武顕の熾烈な戦いが始まった!戦場でしか生きられぬ男の孤独な戦いを圧倒的な筆致で描く、会心の冒険アクション小説。

暗いよ。
「撃つ」と言うより「鬱」になりそう。
陽気に弾をばら撒く突撃兵と違って、物陰に潜んで
獲物を狙うスナイパーは根暗な人が多いんですね。
下手に主人公の内面描写なんかしないで、
もっと派手にロシア軍とドンパチして欲しかった。

撃つ
撃つ
posted by まどか at 02:03| Comment(2) | TrackBack(0) | 鳴海 章 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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