2007年02月01日

ゼロと呼ばれた男/鳴海 章 ★★★

内容(「BOOK」データベースより)
「おまえは、ソ連機を撃ち落とせるか。」バーンズの挑発に“ゼロ”と呼ばれた男は静かに目をそらした。しかし、幻の撃墜マーク二個を持つその男、航空自衛隊一等空尉・那須野治朗は、次に自らがなすべきことを知っていた―沖縄近海での米軍秘密実験の裏に隠された国際的陰謀が、いま明らかになる。航空機小説の世界に新たな地平を開く、注目の“ゼロ・シリーズ”第一話。

航空自衛隊のパイロットがアメリカの軍事顧問団に紛れ込み
イスラエルに派遣される。
さらにそこで実戦に参加し敵機を撃墜する。
カンボジアやイラクにPKO派遣されるだけでもあれこれ言われる
自衛隊にとって、有り得ない話ではある。

しかし、「ナイト・ダンサー」で乱歩賞獲得以降、航空サスペンスという
新境地を切り開いてきた作者らしく、エンターテイメント作品として、
それなりに楽しめる作品に仕上がっている。
相変わらず、多数の登場人物、頻繁な場面転換、過去と現在が輻輳
する等、ストーリーが判りづらいという欠点もあるのだが。

ところで、主人公の「ジーク」こと那須野治朗は、イスラエルに派遣された
23歳の時点で二等空尉となってますが、この人出世早いですね。
防衛大学校出身者よりも出世早いです。超エリートだったのでしょうか。
でも、15年経った現在は一等空尉です。15年間で一階級しか昇格してません。
同じくバーンズ、ラインダースといった人たちも15年間で一階級しか昇格してません。
みんなエリートコースを外されてしまったのでしょうか。

ゼロと呼ばれた男
ゼロと呼ばれた男
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2007年02月02日

ネオ・ゼロ/鳴海 章 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
ホワイトハウス緊急対策室が決定した密命は核施設爆撃。蘇った新零戦(ネオ・ゼロ)のファイター・パイロットは。コンピュータがはじき出した適任者はジークこと那須野治朗。生と死、その狭間でしか自己を実現できないジーク・ザ・キラーは大空へ飛び立つ。“ゼロ・シリーズ”第二話。

ゼロ戦という戦闘機は、日本人にとって特別な思い入れがあるようです。
この作品では、「ネオ・ゼロ」として日本が独自に開発した戦闘機が登場します。

でも、ジェット戦闘機を作った経験の無い日本で、組みあがったばかりの
戦闘機を試験飛行もせず即実戦投入し、北朝鮮まで行って原子力発電施設
を爆撃して来るなんて、いかに日本の工作精度が優れているとは言っても、
無茶苦茶な話ではあります。

パイロットも、実際に「ネオ・ゼロ」を操縦するのは実戦投入時が初めてで、
それ以前はシュミレーターでしか操縦してなかった訳だしね。

物語としては、謀略渦巻く国際情勢や手に汗握る空中戦等、緊迫感のある
航空サスペンス小説として楽しめます。そして、この作品のもう一つの主役は、
現代によみがえった戦闘機「ネオ・ゼロ」と、国産戦闘機開発にかける男たち
の思いです。

闇雲に過去と現在を行ったり来たりしない分、第一作の「ゼロと呼ばれた男」
よりもストーリーは判りやすく、面白かったです。

ネオ・ゼロ
ネオ・ゼロ
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2007年02月04日

無間人形―新宿鮫〈4〉 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
新宿の若者たちの間で、舐めるだけで効く新型覚せい剤が流行り出した。薬を激しく憎む新宿署刑事・鮫島は、執拗に密売ルートを追う。財閥・香川家の昇・進兄弟の野望、薬の独占を狙う藤野組・角の策略、麻薬取締官の露骨な妨害、そして、恋人・晶は昇の手に…。現代を代表する超人気シリーズ第4弾、直木賞受賞の感動巨編、待望の文庫版で登場。

冒頭、麻薬の売人との小競り合いで始まり、やがて鮫島の恋人晶が麻薬の
元締めの待ち受ける地方にツアーに行く事になる。
巧みな伏線です。
ラストまで読者はこの先どうなるかと、はらはらしながらページをめくる事になる。
エンターテイメント小説の王道を行くような構成。
大沢 在昌の「巧さ」が際立つ作品です。

ただ、同じ新宿を舞台にした「不夜城/馳 星周」を読んだ時のような
「凄さ」は感じられない。

無間人形―新宿鮫〈4〉
無間人形―新宿鮫〈4〉
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2007年02月05日

炎蛹―新宿鮫〈5〉 ★★★

内容(「BOOK」データベースより)
新宿署刑事・鮫島を、犯罪者は、恐れを込めて「新宿鮫」と呼ぶ。植物防疫官・甲屋は、外国人娼婦によって南米から日本に侵入した、“恐怖の害虫”の蛹を追っていた。羽化まで数日。蛹を追って、鮫島と甲屋は、危険と罠に満ちた闇に挑む!命をかけて熱く闘う男たちがここにいる。興奮と感動、圧倒する迫力!傑作長編刑事小説第5弾。

本作には農水省の植物防疫官である甲屋(かぶとや)と、東京消防庁の
吾妻という公務員が登場します。
なんだか、真保 裕一の小役人シリーズみたいですね。

今回の作品が過去の新宿鮫シリーズと違うのは、単独捜査を常としていた
鮫島が、植物防疫官の甲屋とコンビを組む事です。
甲屋というオッサンもなかなか良い味を出しています。

第二作の毒猿、第三作の屍蘭では魅力ある敵役作りに腐心していた作者が、
今回は鮫島のパートナーとして魅力あるキャラを出そうとしたようです。
このあたり、シリーズ物として読者を飽きさせない工夫をしているようです。

物語りの内容は、複数の事件が同時多発的に発生する中、鮫島と甲屋が
日本に持ち込まれた稲の害虫「フラメウス・プーパ」を探すと言う物です。
だけど、一つ一つの事件が小さく、盛り上がりに欠ける。
マネー・ロンダリングに関しては全貌が明らかにならず、主犯の男は影しか
出てこないなど消化不良気味です。
安定したストーリー運びで安心して読めるのだが、今ひとつパンチに欠ける
と感じた。

炎蛹―新宿鮫〈5〉
炎蛹―新宿鮫〈5〉
posted by まどか at 20:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 大沢在昌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月12日

マッチメイク/不知火 京介 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
プロレス団体の総帥ダリウス佐々木が対戦直後に急死した。額の傷からは蛇毒が。大観衆の見つめる中、何が起こったのか?新人レスラー山田聡は同期の本庄と謎を追い始めるが、それが第二の悲劇を生む。プロレスに全てを懸けた者が決して許せなかったこととは?感涙がとまらない第49回江戸川乱歩賞受賞作。

推理小説としての面白さではなく、プロレスの面白さで読ませる作品ですね。
プロレスファンなら、作中に出てくるプロレスラーやエピソードに、実在の
モデルが存在する事がすぐ判ると思います。

試合の内情やトレーニングの様子、「門番」という存在など、外からでは
窺い知る事の出来ないプロレス界の実態が描かれているのは、読んで
いて面白かったです。
ただ、ミステリーとしては、いまいち物足りないかも知れませんが。

あと、この主人公はちょっと無知ですね。
今時、「アングル」くらいはプロレスファンなら誰でも知ってると思うのに、
いくら新人とは言え、業界にいるプロレスラーが知らないなんて。

マッチメイク
マッチメイク
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2007年02月13日

写楽殺人事件/高橋 克彦 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
謎の絵師といわれた東洲斎写楽は、一体何者だったか。後世の美術史家はこの謎に没頭する。大学助手の津田も、ふとしたことからヒントを得て写楽の実体に肉迫する。そして或る結論にたどりつくのだが、現実の世界では彼の周辺に連続殺人が起きていて―。浮世絵への見識を豊富に盛りこんだ、第29回江戸川乱歩賞受賞の本格推理作。

現在の日本で、浮世絵の研究家といわれる人たちが、いったい
どれ位いるのだろうか。浮世絵なんて、めったに見る機会は無いし、
かなりマイナーな存在ではないだろうか。
しかし、そんなマイナーな世界でも、ちゃんと派閥があって、お互いに
角を突き合わせている事が面白いですね。

物語の内容は、大学助手の津田が写楽の謎を追求する中、現実の
世界でも殺人事件が起きるというものです。

前半は、浮世絵の勉強会みたいなもの。
津田が先輩の妹の冴子に浮世絵の説明をすると言う形で進められます。
浮世絵に関する詳細な知識と考察で、説得力はあるんだけど、読むのは
かなり大変でした。

女の子と二人でいるのに、延々と浮世絵の話をする男なんて、絶対女の子
にはモテないだろうと思いました。だけど、世の中上手く出来てるものですね。

前半の写楽の謎に迫る歴史ミステリーが鮮やかな分、後半の現実世界
での殺人事件が月並みに見えてしまうのは、仕方のない事でしょうか。

写楽殺人事件
写楽殺人事件
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2007年02月15日

R.P.G./宮部 みゆき ★★★★

出版社/著者からの内容紹介
住宅地で起きた殺人事件。殺された男性はインターネットの掲示板上で「疑似家族」を作っていた。殺人に関わりが? 虚実が交錯し、見えてきたものは…文庫書下ろしミステリー!

R.P.G.
タイトルが面白いですね。
タイトルどおりゲームみたいな作品です。
ただ、ゲームのからくりは、途中で判ってしまう人が多いかも知れませんが。

あと、この作品には、「クロスファイア」の石津ちか子刑事と、
「模倣犯」の武上刑事が出てきますが、過去の作品の登場人物
を出すと言うのは、出版社の販促戦略か、それとも作者の手抜き
でしょうか。
別にこの人たちでなくても良い様な気がします。

R.P.G.
R.P.G.
posted by まどか at 04:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 宮部 みゆき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月17日

殺人方程式 〈切断された死体の問題〉/綾辻 行人 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
新興宗教団体の教主が殺された。儀式のために篭もっていた神殿から姿を消し、頭部と左腕を切断された死体となって発見されたのだ。厳重な監視の目をかいくぐり、いかにして不可能犯罪は行われたのか。二ヵ月前、前教主が遂げた奇怪な死との関連は?真っ向勝負で読者に挑戦する、本格ミステリの会心作。

ストーリーより先にトリックありきの作品ですね。
マンションや新興宗教団体の宮殿の構造など、いかにも不自然です。
公安がマンションを見張っていたなど偶然の要素も多すぎます。

でも、読み物としては、ちょっと変わったキャラクターの刑事を出したり、
意外な犯人だったりと、それなりに楽しめる内容には仕上がってます。

殺人方程式 〈切断された死体の問題〉
殺人方程式 〈切断された死体の問題〉
posted by まどか at 09:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 綾辻 行人 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月18日

翳りゆく夏/赤井 三尋 ★★★

内容(「BOOK」データベースより)
「誘拐犯の娘が新聞社の記者に内定」。週刊誌のスクープ記事をきっかけに、大手新聞社が、20年前の新生児誘拐事件の再調査を開始する。社命を受けた窓際社員の梶は、犯人の周辺、被害者、当時の担当刑事や病院関係者への取材を重ね、ついに“封印されていた真実”をつきとめる。第49回江戸川乱歩賞受賞作。

あまりにも陳腐で芸のない筋書き。
物語の序盤で、容易に真犯人や事件の構図の想像がついてしまう。
でもまさかね、仮にも乱歩賞作品なんだから、そんな単純な話じゃないよね。
と、思いつつ読み進めたものの、結局想像どおりの結末となってしまった。

探偵役の梶という人物についても、
・過去に傷を持っている
・決して恵まれた境遇にいるとはいえない
・高齢独身、もしくは離婚率高し
という、乱歩賞のセオリーどおりの設定であり、新鮮味がまるでない。

誘拐事件に関しても、警察の捜査の杜撰さ、身代金を運ぶ院長の行動、
犯人逮捕に至る経緯など、偶然の要素や作者の都合が優先される場面が
多すぎる気がする。

確かに丁寧に書かれているし、文章も読みやすい。
夏をモチーフにし、作中に季節感のある描写を盛り込んだり、
「笑ってる場合ですよ」とか、「横浜大洋ホエールズ」など、
20年前の世相をさりげなく使っているのもうまい。
読者にページをめくらせるだけのものは持っているので、
あと一ひねりか二ひねり位して欲しかった。

翳りゆく夏
翳りゆく夏
posted by まどか at 01:25| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリー(和書) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月19日

チョコレートゲーム/岡嶋 二人 ★★★

内容(「BOOK」データベースより)
学校という名の荒野をゆく、怖るべき中学生群像。名門秋川学園大付属中学3年A組の生徒が次々に惨殺された。連続殺人の原因として、百万単位の金がからんだチョコレートゲームが浮かび上がる。息子を失った一人の父親の孤独な闘いをたどる、愛と死のショッキング・サスペンス。日本推理作家協会賞受賞作。

中学生の間で密かにはやっている「チョコレートゲーム」とは?
事件の重要な鍵となる「チョコレートゲーム」だが、意外性がまったく無い。
この作者なら「アレ」しかないよね。
容易に想像が付いてしまうのは少々しらける。
内容は中学生日記風、読みやすい文章で、破綻の無い展開、
手堅くまとまっていて、さらっと読めるが、もう少し意外性が欲しかった。

チョコレートゲーム
チョコレートゲーム
posted by まどか at 00:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 岡嶋 二人 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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