2007年01月23日

どんどん橋、落ちた/綾辻 行人 ★★★

内容(「BOOK」データベースより)
ミステリ作家・綾辻行人に持ち込まれる一筋縄では解けない難事件の数々。崩落した“どんどん橋”の向こう側で、殺しはいかにして行われたのか?表題作「どんどん橋、落ちた」や、明るく平和なはずのあの一家に不幸が訪れ、悲劇的な結末に言葉を失う「伊園家の崩壊」など、五つの超難問“犯人当て”作品集。

綾辻行人ファンのための短編集です。
広く一般の推理小説ファンを対象にはしていません。
作者自ら言っているように、人間性を廃したパズルみたいな小説です。
この手の小説を読み込んでる人には、作中にヒントがちりばめられてるので
作者のトリックに気が付くかも知れません。
もちろん、あたしも気が付きましたよ。
でも、それ以外の人が読んだら、「ふざけんなコノヤロー」と思うでしょうね。

確かに良く出来ていて、それなりに面白いんだけど、やってる事は
「楽屋落ち」に「パロディー」と、才能の枯渇し始めたギャグ漫画家みたいです。
本当にファンが望んでいるものとは違うような気もします。

どんどん橋、落ちた
どんどん橋、落ちた
posted by まどか at 22:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 綾辻 行人 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月29日

ワイルド・ソウル〈上〉〈下〉/垣根 涼介 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)<上>
一九六一年、衛藤一家は希望を胸にアマゾンへ渡った。しかし、彼らがその大地に降り立った時、夢にまで見た楽園はどこにもなかった。戦後最大級の愚政“棄民政策”。その四十数年後、三人の男が東京にいた。衛藤の息子ケイ、松尾、山本―彼らの周到な計画は、テレビ局記者の貴子をも巻き込み、歴史の闇に葬られた過去の扉をこじ開けようとする。

内容(「BOOK」データベースより)<下>
呪われた過去と訣別するため、ケイたち三人は日本国政府に宣戦布告する。外務省襲撃、元官僚の誘拐劇、そして警察との息詰まる頭脳戦。ケイに翻弄され、葛藤する貴子だったが、やがては事件に毅然と対峙していく。未曾有の犯罪計画の末に、彼らがそれぞれ手にしたものとは―?史上初の三賞受賞を果たし、各紙誌の絶賛を浴びた不朽の名作。

確かに小説としては面白いと思う。
スピード感あふれテンポ良く、ページをめくるワクワク感もある。
ブラジル移民の悲惨な実態は良く書けてるし、登場人物のキャラも立ってる。
ちなみに、貴子という登場人物の造形は、氷室冴子さんの書く、ちょっととがった
女性に似ていると思った。

でもね、主人公たちの動機がねー。
そりゃ確かにブラジル移民は悲惨な思いをしたんでしょう。
外務省の対応も悪かったんでしょう。
だけど、悲惨な思いをしたのは、ブラジル移民だけじゃないでしょう。
戦争や、公害や、薬害エイズなど、政府や関係省庁の無能な対応で
悲惨な思いをした人は他にもいっぱいいます。

40年も経ってから政府に復讐してどうなるの?
ブラジル移民が戦争等と違うのは、その実態を殆どの人が知らなかった
という事で、世間にその悲惨さや外務省の不手際を訴えたかったという
のは判ります。

だけどさ、派手な事件を起こして一時的に世間の注目を集めても、
首相から遺憾の意を引き出しても、結局はただの自己満足にしか
ならないんじゃないの?

「金が欲しい!」とか、「誰かをぶっ殺してやる!」といった、月並みだけど
単純な動機の方が、より主人公たちに感情移入できたような気がする。

ワイルド・ソウル〈上〉
ワイルド・ソウル〈上〉

ワイルド・ソウル〈下〉
ワイルド・ソウル〈下〉
posted by まどか at 03:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 垣根 涼介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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