2006年10月16日

北の狩人〈下〉/大沢 在昌 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
ついに、北の国から来た男の正体と目的が分かった。その瞬間、新宿署の刑事だけでなく暴力団の幹部までもが息を呑んだ。「あの時の…」彼は十二年前に葬られた、ある出来事の関係者だったのだ。過去の秘密が次々に明かされていく。やがて彼は「獲物」を仕とめようと最後の賭けに出る。だがそこには予想だにしていない悲しい結末が待っていた。

北の国から来た男が、十二年前の事件の真相を探る。
それにより明らかになる驚愕の真相とは?
確かに、後半は主人公の影が薄くなるかも知れない。
しかし、刑事とやくざの奇妙な友情や、男としての生き様など、
新宿を舞台とした、男たちの非常な世界が描かれる。
読んで損は無い小説です。

ところで、解説にあった秋田県警の犬神刑事が活躍する秋田犬
シリーズ、もし書かれるならぜひ読んで見たいものです。

北の狩人〈下〉
北の狩人〈下〉
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2006年10月17日

震源/真保 裕一 ★★

内容(「BOOK」データベースより)
地震で津波が発生し、警報が遅れる事故が起こった。地震火山研究官の江坂は、ミスをした森本を鹿児島に訪ねるが、彼はすでに退職し姿を消していた。同じ頃、森本と同窓の大学教授も、地震の観測データを持ったまま、行方不明に。そこには国家的陰謀が渦巻いていた!新進気鋭の作家が放つ、長編サスペンス。

失踪した同僚を捜し求める地震火山研究官・江坂。
その過程で、やがて巻き込まれる国家的陰謀。
何故そこまでして失踪した同僚を捜し求めるのか、理解に苦しむ。
人にはそれぞれ事情があるんだから、そっとしといてあげれば良いのに。
執拗に同僚を探し求める主人公には、感情移入できないと言うより、
違和感を感じた。

主人公が巻き込まれる国家的陰謀とやらも判りにくい。
終盤二転三転し、しかも完全に事件の決着は付いていない。

確かに専門分野の知識など、緻密に取材しているんだろうけど、
面白い話を書こうとして力みすぎている印象を受けた。
評価は厳しく★★

震源
震源
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2006年10月18日

猫は知っていた/仁木 悦子 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
仁木兄妹が下宿した病院で起こる奇怪な失踪、殺人。事件のたび出没する黒猫は何を目撃したのか。兄妹探偵の緻密な推理が冴える。

第三回江戸川乱歩賞受賞作。
乱歩賞が長編推理小説の公募になってから最初の受賞作です。
作者の仁木悦子さんは幼時から病気のため学校に行かず、兄の
雄太郎氏による家庭教育を受けて育ちました。

この作品は、作者と同姓同名の、仁木雄太郎・悦子兄妹が探偵役
として登場します。病身の作者を全く感じさせず、物語の中で実に
生き生きとした活躍を見せます。
扱っているのは殺人事件ですが、戦前の、おどろおどろした探偵
小説とは一線を隔する、爽やかな作品です。

猫は知っていた・濡れた心―江戸川乱歩賞全集〈2〉
猫は知っていた・濡れた心―江戸川乱歩賞全集〈2〉
posted by まどか at 19:09| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリー(和書) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月19日

濡れた心/多岐川 恭 ★★★

内容(「BOOK」データベースより)
女子高生の純粋な同性愛を阻む悪意、そして殺人事件。日記や手記を取り入れた斬新な構成が人間関係や動機を際立たせる文学的探偵小説。

第四回江戸川乱歩賞受賞作。
女子高生の同性愛をテーマとした異色作です。
異色なのはテーマだけにとどまらない。
全編を通して、登場人物たちの日記と、刑事の手記だけで物語を進めるという構成。
登場人物が全員日記を書いてるなんて、昔の人はそんなに日記が好きだったのかと思ってしまった。
凝った構成だが、会話の羅列が続くなど、日記としてはいささか不自然。

銃の扱いにも疑問を感じた。
初めて銃を撃った人が、離れた場所から一発で被害者に命中させるなんて事は、まず不可能です。
刑事の銃や弾丸の管理も杜撰すぎます。
寄り添って立っている二人の人物に発砲し、片方を射殺するなんて事もしません。
普通は誤射を恐れて発砲をためらいます。

この作品は、あえて推理小説にする必要も無かったのではないかとも思います。
女子高生の同性愛というだけでも、それなりに読める物語になったのではないでしょうか。
ただ、こんな話を、いい年したおっさんがどんな顔をして書いたのかと想像してしまうと可笑しいですね。

猫は知っていた・濡れた心―江戸川乱歩賞全集〈2〉
猫は知っていた・濡れた心―江戸川乱歩賞全集〈2〉
posted by まどか at 22:41| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリー(和書) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月23日

大いなる幻影/戸川 昌子 ★★

内容(「BOOK」データベースより)
孤独な老嬢たちが住む女子アパート。突如始まったアパート移動工事と同時に奇怪な事件が続発。老嬢たちの過去も次第に暴かれていく。

第八回江戸川乱歩賞受賞作。
さすがに今となっては古い。文章も硬く読みにくい部分がある。
プロットは最後でどんでん返しがあるなど良く練られていると思うが、
いかんせん暗い。
物語の主人公たちが古びた女子アパートに住む老女ということもあるが、
「猫は知っていた/仁木悦子」のような明るさというか、爽やかさはない。
それがこの作品の持ち味なのかも知れないが。

大いなる幻影・華やかな死体―江戸川乱歩賞全集〈4〉
大いなる幻影・華やかな死体―江戸川乱歩賞全集〈4〉
posted by まどか at 21:56| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリー(和書) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月24日

華やかな死体/佐賀 潜 ★★

内容(「BOOK」データベースより)
大手食品会社社長の死体が発見され、元社長秘書の男が逮捕された。事件をめぐり少壮の検事と老獪な弁護士の熾烈な戦いが始まった。

第八回江戸川乱歩賞受賞作。
作者は元検事で現役の弁護士。
出世欲に取り付かれたような検事と老獪な弁護士が殺人事件を争う。
この検事さん、事件の参考人に嘘をついたり、露骨な誘導尋問を行ったりします。
今なら確実に問題になりそうな捜査です。昔はこんな捜査が許されたのでしょうか。

検事と警察、弁護士等の関わりは法曹関係者で無ければ書けないような内容ですが、小説としては、いまいち盛り上がりに欠けるような気がしました。

大いなる幻影・華やかな死体―江戸川乱歩賞全集〈4〉
大いなる幻影・華やかな死体―江戸川乱歩賞全集〈4〉
posted by まどか at 18:51| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリー(和書) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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