2006年09月03日

加筆完全版 宣戦布告〈上〉〈下〉/麻生 幾 ★★★

内容(「BOOK」データベースより)〈上〉
原子力発電所が並ぶ敦賀半島沖に北朝鮮の潜水艦が漂着した。対戦車ロケット砲で武装した特殊部隊十一名が密かに上陸、逃走する。彼らの目的は何か?未曾有の事態に政府はなす術を失い、責任のなすり合いに終始する。砂上の楼閣のごとき日本の危機管理を問うベストセラーに、最新情報を盛り込んだ完全版。

内容(「BOOK」データベースより)〈下〉
北朝鮮兵士の容赦なき殺意の前に犠牲者が続出。首相はついに自衛隊の出動を決断する。北朝鮮からは新たな潜水艦が領海に侵入。米国、中国、韓国、台湾をも巻き込んで、極東の危機は一触即発の臨界点へと達する。有事に際し、日本は本当に国民を、国土を、守れるのか。圧倒的スケールで描く迫真の問題小説。


戦争物ではなく、危機管理を題材にした政治ドラマです。
敦賀半島沖に北朝鮮の潜水艦が漂着し、特殊部隊が上陸。
警察が出動するが手に負えず、自衛隊の出動となる。

ここでは日本の危機管理体制のお粗末さが、嫌と言うほど描かれます。
いつ敵の弾が飛んで来るか判らない現場から、官邸にいる首相まで、
一々伝言ゲームで発砲や武器選択の許可を得る様は、まるで漫画の
ようです。本当にこれが現実だとしたら怖いと思いました。

小説としては、北朝鮮特殊部隊側の視点が全く無いのが物足りません。
作者は日本の危機管理体制を書きたかったのだろうけど、北朝鮮
特殊部隊の潜水艦が漂着したのは予定の行動なのか、事故なのか、
何故すぐに原子力発電所を制圧せず、ぐすぐす潜伏していたのか、等が
全く描かれていないのは不満です。

これでは、突然現れた災厄として扱われているだけで、極端な話、
ゴジラでも宇宙人でも良かったのではないでしょうか。
もっとも、それではリアリティーが無くなってしまいますが。

加筆完全版 宣戦布告〈上〉
加筆完全版 宣戦布告〈上〉

加筆完全版 宣戦布告〈下〉
加筆完全版 宣戦布告〈下〉
posted by まどか at 21:08| Comment(2) | TrackBack(0) | ミステリー(和書) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月05日

水晶のピラミッド/島田 荘司 ★★★

内容(「BOOK」データベースより)
エジプト・ギザの大ピラミッドを原寸大で再現したピラミッドで起こる怪事。冥府の使者アヌビスが500年の時空を超えて突然蘇り、空中30メートルの密室で男が溺死を遂げる。アメリカのビッチ・ポイントに出現した現代のピラミッドの謎に挑む名探偵・御手洗潔。壮大なテーマに挑んだ本格推理の名作。

雰囲気作りのうまい作家です。
でも、いくら雰囲気作りといっても、古代エジプトの話しや、タイタニック
号の話が延々続くのには参りました。読み終わってみると、結局事件の
本筋には大して関係なかったりするので徒労感を覚えました。

名探偵・御手洗潔が登場して事件を追い始めるのは、本のページが
半分以上過ぎてからです。
御手洗潔シリーズを読むのは、この作品が始めてです。
ずいぶん自己中心的な人だなと思いました。
この作品を読んだだけでは、ワトソン役のパートナー石岡氏との関係が
良く判りませんでした。

事件の解決は御手洗潔の独壇場です。
読者は、ヒロインのレオナや石岡氏と共に、御手洗潔の背中を追いかけ、
古代ピラミッドのロマンや、壮大なスケールの謎解きを体験します。

水晶のピラミッド
水晶のピラミッド
posted by まどか at 22:39| Comment(1) | TrackBack(0) | 島田 荘司 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月08日

孤独なアスファルト/藤村 正太 ★★★

内容(「BOOK」データベースより)
断熱材メーカーの常務が殺され、工場に勤める東北出身の内気な青年が容疑者に。大都会の人間の孤独を鋭く抉る社会派本格推理。

この作品は1963年の江戸川乱歩賞受賞作です。
終戦による混乱から抜け出し、高度成長を続ける大都会東京、
そこに東北の田舎から集団就職でやってきた青年田代が、
殺人事件の容疑者となる。

地方出身者の方言によるコンプレックスや、孤独感が良く描か
れているが、物語の中盤以降は事件を捜査をする来宮警部が
主役となり陰が薄くなる。
来宮警部は足による地道な捜査を繰り返す。乗り物に乗るとし
ても、バスや電車で、当時はまだパトカーが充分に配備されて
なかったのかと思ってしまった。

事件のトリックは、都内と都下の気温差を利用するなど、面白い
ものがあるが、重要な証拠を犬がくわえて持ってくるという件に
は、少し疑問を感じた。

東京という大都会に住む人間の孤独というテーマの選定がうまい。
ただ、後味がちょっと悪かったのは残念。

孤独なアスファルト・蟻の木の下で―江戸川乱歩賞全集〈5〉
孤独なアスファルト・蟻の木の下で―江戸川乱歩賞全集〈5〉
posted by まどか at 02:03| Comment(1) | TrackBack(0) | ミステリー(和書) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月15日

蟻の木の下で/西東 登 ★★

内容(「BOOK」データベースより)
動物園で発見された男の死体には熊の爪痕が。近くには新興宗教のバッジが落ちていた。謎解きの意外性に戦争犯罪の傷痕を絡めた異色作。

この作品は1964年の江戸川乱歩賞受賞作です。

動物園で発見された男の死体には熊の爪痕が、との事ですが、
当時の鑑識でも、熊の爪痕か、それ以外の凶器かは区別が
付きそうな気がする。
関係者も、新興宗教に関わっている人が多く不自然。
やたらと一人の人間を悪者として書いているが、作者は戦争
犯罪で何を訴えたかったのか良く判らない。
犯人の登場の仕方も、推理小説のルールに反する。
序盤から犯人の影くらいは匂わせて置くべきではないか。

文句ばかり言ってるようだか、江戸川乱歩賞全集として、
二作並べて読むと、はっきり優劣が付いてしまう。
勿論、レベルの高い年もあれば低調な年もあり、受賞作なら
それなりに一定の水準には達しているのであろうが。

既に絶版となった過去の作品を、文庫本で手軽に読めるのは
ありがたい。この巻には選評もついており、審査員たちの、
新しい才能を世に送り出そうとする熱意が感じられる。

孤独なアスファルト・蟻の木の下で―江戸川乱歩賞全集〈5〉
孤独なアスファルト・蟻の木の下で―江戸川乱歩賞全集〈5〉
posted by まどか at 05:20| Comment(1) | TrackBack(0) | ミステリー(和書) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

おはようございます

忙しくてレビューを書くのが追い付きません。
既に以下の作品を読み終わっています。

北の狩人〈上〉〈下〉
震源
猫は知っていた
濡れた心
posted by まどか at 05:32| Comment(1) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月16日

北の狩人〈上〉/大沢 在昌 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
新宿に北の国から謎の男が現れる。獣のような野性的な肉体は、特別な訓練を積んだことを物語っていた。男は歌舞伎町で十年以上も前に潰れた暴力団のことを聞き回る。一体何を企んでいるというのか。不穏な気配を感じた新宿署の刑事・佐江は、その男をマークするのだが…。新宿にもう一人のヒーローを誕生させた会心のハードボイルド長編小説。

北の国と言うと、どうしても北朝鮮を想像してしまいます。
最初は北朝鮮の秘密工作員が新宿に潜入して何かしようと
しているのかと思ってました。
ところが、北の秘密工作員じゃなかったんですね。

強い者が弱い者を喰い、それをさらに強い者が喰う。
やや類型的ではあるが、新宿という街の、弱肉強食、食物連鎖の
非情な世界が物語の基底に流れています。
そこにやって来た謎の男が12年前に潰れた暴力団の事を聞きまわる。
その結果明らかになる過去の事件の真相とは?

主人公も田舎者の良いキャラを出しています。
同じ新宿を舞台にした、キャリア崩れの、名前負けしてるような
軟弱男の物語よりは面白かったです。

北の狩人〈上〉
北の狩人〈上〉

posted by まどか at 10:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 大沢在昌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月26日

こんばんは

今バンコクに来ています。
旅先なのでブログの更新が出来ませんでした。
もうすぐ日本に帰ります。
posted by まどか at 03:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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