2006年07月01日

T.R.Y./井上 尚登 ★★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
一九一一年、上海。服役中の刑務所で暗殺者に命を狙われた日本人詐欺師、伊沢修は、同房の中国人、関に助けられる。その夜、伊沢は革命家である関からある計画への協力を要請された。それは、革命のための武器の調達、それも、騙し、奪い取る。そのターゲットは日本陸軍参謀次長―。暗殺者から身を守ることを交換条件としてこの企てに加担した伊沢は、刑務所を抜け出し、執拗な暗殺者の追走を受けつつ、関たちとともに壮大な計画を進めていく。騙し騙されるサスペンスフルなコン・ゲームとスピード感、全選考委員の大絶賛を受けて第一九回横溝正史賞を受賞した超大作。

物語は1911年の上海から始まる。
二十世紀初頭の東アジアを舞台に、虚実入り混じったストーリが展開される。
設定された舞台自体、面白い場所と時代であったのだと思う。
ひと癖もふた癖もある登場人物が、騙し騙され、二転三転の内にラストを迎える。
終盤は若干煩雑すぎるきらいもあるが、スピード感あふれテンポ良く、
エンターテイメントとして文句無く楽しめる作品である。

T.R.Y.
T.R.Y.
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2006年07月02日

水車館の殺人/綾辻 行人 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
古城を思わせる異形の建物「水車館」の主人は、過去の事故で顔面を傷つけ、常に仮面をかぶる。そして妻は幽閉同然の美少女。ここにうさんくさい客たちが集まった時点から、惨劇の幕が開く。密室から男が消失したことと、1年前の奇怪な殺人とは、どう関連するか?驚異の仕掛けをひそませた野心作。

異形の館、仮面の主人、幽閉同然の美少女、うさんくさい客、がけ崩れによる外部との隔絶、そして名探偵登場!
リアリティーもクソも無く、浮世離れした設定ではあるが、この作品はそのレトロな雰囲気を楽しむ為の作品である。
作品の出来としては、前作「十角館の殺人」と比べると、若干書き急いだかと思われる印象あり。

水車館の殺人
水車館の殺人
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2006年07月03日

殺人鬼/綾辻 行人 ★★

内容(「BOOK」データベースより)
夏期合宿のため双葉山を訪れた親睦団体「TCメンバーズ」の一行。人里離れた山中での楽しいサマーキャンプは、突如出現した殺人鬼によって、阿鼻叫喚の地獄と化した。次々と殺されてゆく仲間たち…手足が切断され、眼球が抉りだされ、生首は宙を舞う。血塗れの殺戮はいつまで続くのか。殺人鬼の正体は。驚愕の大トリックが仕掛けられた、史上初の新本格スプラッタ・ホラー。

残酷な描写は多いけど、肝心の心理描写が不足している。
その場で殺される人の恐怖感は書かれているが、残されたメンバーは終盤になるまで他の人が殺されている事を知らず、行方不明と思ったままである。
この手の小説では、残酷な場面だけではなく、仲間が一人ずつ殺されていく恐怖感など、じわじわと追い詰められて行く被害者たちの心理が重要な見せ場だと思うが、残念ながらその辺りは希薄になってしまった。
あと、この作品は推理小説じゃないんだから、小ざかしい小細工は不要。

殺人鬼
殺人鬼
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2006年07月04日

グレイヴディッガー/高野 和明 ★★★

内容(「BOOK」データベースより)
改心した悪党・八神は、骨髄ドナーとなって他人の命を救おうとしていた。だが移植を目前にして連続猟奇殺人事件が発生、巻き込まれた八神は白血病患者を救うべく、命がけの逃走を開始した。首都全域で繰り広げられる決死の追跡劇。謎の殺戮者、墓掘人の正体は?圧倒的なスピードで展開する傑作スリラー巨編。

名作「13階段」と比較してはいけない。
でも、どうしても比較しちゃうよね。
「13階段」が出色の出来だっただけに、同じ作者の二作目として、
期待してしまうのは仕方が無い事だと思う。
実際に読んで見ると、「なんじゃコレ?」ってな作品でした。

主人公は改心した悪党・八神。
悪党といっても、小悪党といった所。
何故か善行に目覚め骨髄移植を決意する。
横山 秀夫氏の某ベストセラー小説でも読んだのか?

八神は殺人事件に巻き込まれ、謎の集団に追いかけられながらも
骨髄移植のため病院を目指して逃走を開始する。
東京の北から南へ、電車に乗れば30分程度で行けるのに、何故か
一晩をかけた決死の逃避行となる。
スピード感もあり、八神のキャラも立っていて、それなりに面白いのだが、
展開に必然性が乏しく、ただ逃避行を書きたかっただけではないかという
気もする。追う方も病院を張ってれば手間はかからないと思うのだが。
「グレイヴディッガー」と言う謎の殺人者も現実感が無い。

グレイヴディッガー
グレイヴディッガー
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2006年07月07日

こんばんは

迷路館の殺人/綾辻 行人を読み終わりました。
今は、人形館の殺人/綾辻 行人を読んでます。
posted by まどか at 19:41| Comment(1) | TrackBack(0) | ミステリー(和書) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月11日

迷路館の殺人/綾辻 行人 ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
奇怪な迷路の館に集合した四人の作家が、館を舞台にした推理小説の競作を始めたとたん、惨劇が現実に起きた。完全な密室と化した地下の館で発生する連続殺人の不可解さと恐怖。逆転また逆転のスリルを味わった末に読者が到達する驚愕の結末は?気鋭が異色の構成で挑む野心的な長編本格ミステリー。

作中作という、非常に凝った作品。
本の中に本があり、目次や登場人物紹介、あとがきまである。
出版社も良くやると言うか、逆に、ここまでやらないと、この作品の
雰囲気が出ないと言うべきかか。

作中作の中で、館に集合した作家達が、自分の書いた小説の通り
に殺されていくという、小説自体が迷路のように入り組んだ作品である。
ただ、作品の中で、作中作の作者がフェア・アンフェアに必要以上に気を
遣うと書いているが、ある人物の記述は、やはり卑怯だという気がする。

大胆な構成で、最後の最後まで楽しめる、お勧めの作品です。

迷路館の殺人
迷路館の殺人
posted by まどか at 05:51| Comment(1) | TrackBack(0) | 綾辻 行人 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月12日

人形館の殺人/綾辻 行人 ★★★

内容(「BOOK」データベースより)
亡父が残した京都の邸「人形館」に飛龍想一が移り住んだその時から、驚倒のドラマが開始した。邸には父の遺産というべき妖しい人形たちが陣取り、近所では通り魔殺人が続発する。やがて想一自身にも姿なき殺人者がしのび寄る。名探偵島田潔と謎の建築家中村青司との組合せが生む館シリーズ最大の戦慄。

京都に引っ越してきた、親の遺産で食ってる、生命力の
無さそうな線の細い画家の一人称形式で物語は進む。
最初から謎や死体が転がってる訳ではないので、
出だしは興味を引かないし、はっきり言ってつまらない。
今までの館シリーズとは趣を異にする作品。

肝心の「犯人」は途中で判ってしまった。
だって、ミエミエのミスディレクションなんだもん。
島田潔の登場の仕方は意外だったけどね。

過去の館シリーズの展開を期待して読むと裏切られる。

人形館の殺人
人形館の殺人
posted by まどか at 18:57| Comment(1) | TrackBack(0) | 綾辻 行人 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月13日

クリスマス・イヴ/岡嶋 二人 ★★★

内容(「BOOK」データベースより)
山深い別荘でのクリスマス・パーティに向かった敦子と喬二。夜になって到着したその別荘はまっ暗で、荒らされた室内には友人の血まみれの死体が…。雪に閉ざされ孤立した別荘地でイヴの夜に起こった恐ろしき惨劇。凶悪で強靱な殺人鬼から果たして逃れることはできるのか!?恐怖と緊迫の傑作長篇サスペンス。

ホラータッチの作品だが、「バトル・ロワイアル」など、残酷な描写が
氾濫する現在では、それほど刺激的な描写とは感じられない。
次々と殺人を犯して行く犯人の名前や住居は判明している。
名前も何も判らない、謎の男という設定の方が恐怖感は盛り
上がったのではないか。

岡嶋作品という事で、何か裏があるのかと思って深読みしていたが、
結局殺人鬼との戦いに終始した。
過去の岡嶋作品にある「毒」というか、「こずるさ」は無く、至って
シンプルなストーリー展開、軽い読み物として楽しめる。
まるで赤川次郎の作品のようだった。

クリスマス・イヴ
クリスマス・イヴ
posted by まどか at 18:27| Comment(2) | TrackBack(0) | 岡嶋 二人 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月14日

龍は眠る/宮部 みゆき ★★★★

内容(「BOOK」データベースより)
嵐の晩だった。雑誌記者の高坂昭吾は、車で東京に向かう道すがら、道端で自転車をパンクさせ、立ち往生していた少年を拾った。何となく不思議なところがあるその少年、稲村慎司は言った。「僕は超常能力者なんだ」。その言葉を証明するかのように、二人が走行中に遭遇した死亡事故の真相を語り始めた。それが全ての始まりだったのだ…宮部みゆきのブロックバスター待望の文庫化

ミステリーというよりはSF小説ですね。
超能力をもった少年達の苦悩がメインのテーマとなる。
ミステリーの要素はそのおまけみたいなもの。
超能力をもって生まれてしまったが故に苦悩する少年達の描写は秀逸。
昔読んだ筒井康隆の「七瀬ふたたび」を思い出してしまった。

ただ、小説としてみると、冒頭の主人公と超能力を持った少年との
出会いは良く書けているが、終盤の事件が起こるまでの間が冗長。
もう少し簡潔な構成にした方が小説として締まったのでは無いか。
事件の構図も単純で、ミステリーとしては物足りない。

龍は眠る
龍は眠る
posted by まどか at 18:45| Comment(1) | TrackBack(0) | 宮部 みゆき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月17日

Cの福音/楡 周平 ★★★

内容(「BOOK」データベースより)
航空機事故で両親を失い、異郷アメリカで天涯孤独となった朝倉恭介は、おのれの全知力と肉体を賭けて「悪」の世界に生きることを決心する。NYマフィアのボスの後ろ盾を得て恭介が作り上げたのは、日本の関税法の盲点をつき、コンピュータ・ネットワークを駆使したコカイン密輸の完璧なシステムだった。驚くべき完全犯罪…しかし…。国際派ハードボイルド作家楡周平の記念碑的デビュー作品。

主人公の造形は、伊達邦彦(野獣死すべし/大藪春彦)の劣化コピー。
一匹狼をきどっていても、実態はマフィアの麻薬売買組織に組み込まれた、
ピラミットの中間点の一つでしかない。
一人でシコシコとコカインを袋詰めにしたり、封筒の宛名貼りをする姿には
哀れみを感じた。まるで内職ですね。

まあ、暇だったら読んでみてもいいかも知れないが、これ以降の作品を読もうという気にはならない。

Cの福音
Cの福音
posted by まどか at 10:44| Comment(1) | TrackBack(0) | ミステリー(和書) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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